[ハナウィア(レバノン)] 周辺には岩がごつごつと出た丘しか見えない地で、私は乾いた冬の期間に溜まった赤い土と石でできたグラウンドの上を歩いている。インテルキャンパスの世界ではよく目にする光景だが、ただの空き地みたいに思えるのが実は子供たちに歓喜をもたらすサッカーグラウンドなのである。
今も、数人の少年少女が手渡されたばかりのインテルユニフォームを身に付けてはしゃいでいる。新しいインテルキャンパスセンターのオープニングセレモニーが行われ、子供たちは母国レバノンの国家を歌った後、イタリア国歌を敬意の表情で聞き、ユニフォームを着るのを手伝ってくれた国連レバノン駐留軍の兵士たちにお礼を言ってから、グラウンドに躍り出たのだ。
ここは、レバノン南部のハナウィア市。長年の戦争に苦しめられてきたこの地域で、インテルキャンパスは以前から常設センターを作り、子供たちのために継続的な活動を行うことを望んでいた。まだ平和が訪れたわけではなく国境もない状態だが、国連レバノン駐留軍/UNIFILの存在のおかげで停戦となっているため、人々は爆撃の被害を受けた家を修復しながら農業や小規模の商業活動に復帰することができている。学校も再開しているものの、子供向けの活動はほとんどないのが事実である。
国連の指示によって、2012年からイタリア軍のパオロ・セーラ将軍が駐留軍の現地オペレーションの指揮を執っており、イタリア兵士は特に現地住民に向けた社会活動に従事している。インテルキャンパスはイタリア軍の貴重な支援を得て、今回ハナウィア市のセンターを発足させ、近々ヤリン市でもオープンすることになっている。
[写真:フランチェスコ・デ・キリコ]
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