イタリアサッカーについて
「クラブを経済的な安定に導くには2〜3年かかると言ってきました。よく2016年のミラノでのチャンピオンズリーグ決勝について聞かれることがありますが、もちろん、実現することをとても楽しみにしていますよ。 しかし、我々としては今後の2年でどれくらい発展できるかに集中しているのです。私はチームを作り上げる時、チームワークを意識して団結心を固めていくことの方が、タイトルを獲ることより重要だと思うのです。もちろん、勝利は大切ですよ。だからこそ、早く健全な経済状態を持つようにして偉大な選手を獲得するようにしたいのです」
「イタリアのクラブにとって、ベイルみたいな選手を獲得するのは無理です。10年前の状況とは違いますからね。インテルだけに関することではなくて、他のクラブにも言えることです。イタリアリーグの競争力を高めることが大事なので、レーガ・セリエAが変わることも必要です。昨夜、私とアンジェロマリオ(モラッティ)は“Infront”の人たちと会食したのですが、今後に向けてそういう点についても話しました。“Infront”はセリエAのアドバイザー役も務めているので、私の考えを知って欲しかったのです。彼らが言うには、現時点でセリエAが人気のある市場は中東と南米の2つだけで、ヨーロッパではもはや、セリエAはトップリーグとして見なされていないそうなのです。そこで私が考えるのは、どうやったら他リーグと対等で争って世界で市場を広めていくことができるか? ということなのです。例えば、試合が行われる時間帯などについても話し合っていく必要がありますね」
“Bチーム”について
「各国リーグはその国によって管理が違いますし、イタリアにおいて何がベストなのかは私が決めるべきではないと思います。レーガ・セリエAとクラブが決めることが正解だと思いますね。私はイタリアでは新米ですし、単に一チームのオーナーに過ぎません。しかし、セリエAクラブが“Bチーム”を設けるのは良いことだと思いますよ。例えば、アメリカのMLSではメジャークラブが小さなクラブと提携したりするものですが、そういったことはイタリアではできないと聞いています。いずれにせよ、他リーグで存在する“Bチーム”というのは、若手選手を成長させるために重要なものなのです。イタリアはサッカー人口が多い国ですから、若手の成長に繋がることでしたら、やっても良いことだと思いますけどね」
クラブ内でのパートナーについて
「私はすでにマッシモ・モラッティとそのファミリー、およびハンディ・ソテジョというパートナーがいます。メディアは私が新しいパートナーを探しているとしつこく報道していますが、そういった情報がどこから出ているのか不明ですね。ピーター・リムやバルキ一族についてよく質問されますが、インテルは我々でやっているのですよ。リムは確かにサッカークラブの買収に動いていますけど、彼はただの友人に過ぎません。バルキ一族はオーストラリアとベルギーのクラブを持っていて、その他に私とソテジョの友人でトニー・フェルナンデスがクイーンズパーク・レンジャーズのオーナーだったり、ヴィンセント・タンがカーディフのオーナーだったりしますが、それはともかくとして、メディアがインテルに新パートナーが加わると言い続けるのは嫌気が差すことです。真実ではないことですが、そんな噂ばかり出回っていると現在のパートナーが気を悪くすることもありますしね。私が彼らに不満を抱いていると思われたりしたくないのです」
「いずれにせよ、同じこの仕事をやる人から学べることはたくさんあります。例えば、先日レアル・マドリーの会長とチーフオペレーションオフィサーに会った時、いろいろな質問をさせていただきました。レアルから学ぶための絶好の機会でしたよ。練習施設も見学できて、非常に勉強になりました。選手の人件費についても聞いたところ、収入の50パーセントを下回っていると言われました。まあ、レアルの総売上は年間5億ユーロですからね…。アメリカやインドネシア、イタリアやイングランドでの現状は100パーセント同じではないので、その国その国で勉強になるものがあります。その意味でも、私はクラブ幹部の全員に常に勉強することを勧めているのです。競争は常に厳しくなるので、学び続けることが大事なのです」
過去の戦略との違い
「現時点で我々にはビジネスプランがありますし、新しく立ち上げた会社もあります。銀行と株主は慎重に検討した上で、我々のコンセプトを信頼することを示してくれました。これによって、グローバルな資金調達プランが実行できます。以前は毎年このプランを立てていたわけですが、今は5年おきにやるのです。5年プランの方がやりやすいのは間違いないです。マネージメントにとって、長期戦略を設定して伸びる時間が与えられるのはプラスですからね。インテルのケースはASローマのそれとは違いますよ。ジェームス・パッロッタがオーナーになった時点でローマの一部がすでに銀行に管理されている状態だったので、まったく異なる状況です。ビジネスモデルの面では、似ていると言えますね。世界の名クラブが共通で取り入れているモデルなので」
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