エリック・トヒル会長の3つの基礎

クラブ再建、収入増加、経済面での規律。これによってインテルは世界トップレベルで争えるクラブに

クラブ再建について

「今日の株主総会で話したことですが、クラブ再建にとって重要となるのが、メディアとスポンサーシップ関連の件を担当する新しい子会社“MediaCo”の存在です。決断を下す場合、マネージメントが全員で決めることが大事です。ナイキや“Pirelli”などのパートナーと話し合う時、各社のニーズを理解することが大切です。そして、グローバル的な露出を考えることも必要です。例えば、アジアに目を向けますと、そこにはほぼ1億2千万人のインテルファンがいることが分かります。インテルの知名度は確かに高いわけですが、実際に誰もが知っている選手は誰かというと、2〜3人に限られていることが明らかです。もちろん、長友佑都がそのうちのひとりですね。その意味でも、我々はヴィディッチを獲得したのです。彼は現在マンチェスター・ユナイテッドでキャプテンとしてプレーしていますし、プレミアリーグは今アジアで最も人気が高いリーグですからね。彼は優秀なディフェンダーである以外に、マーケティングにとって最適な存在なのです。監督とスポーツディレクターは彼の獲得を望んでいたわけで、コマーシャル部門としても良い補強だったのです。常に経済面も考慮しないといけませんからね。エルナネスに関しても、彼はビッグネームということもあって獲得したわけですが、スポンサーに関する戦略としてブラジルという大きな市場を引きつける意味もあったのです。エルナネスを獲得したことは戦力面での効果以外に、ナイキや“Pirelli”を筆頭に数々のパートナーに対しても商業的な効果をもたらすのです。エルナネスはブラジル市場に向けて良いイメージキャラクターになりますからね。いずれにせよ、最終的な決断は私ではなくて、クラブ幹部で下しているのです。私が選手を獲得するのではなくて、インテルがクラブとして獲得しているのです」

新子会社“MediaCo”について

「クラブ再建には2つの会社を通じて行われます。ひとつはインテルで、もうひとつは“MediaCo”です。インテルの売上げはメインにチケッティング、インテルアカデミーの活動、ツアー、マーチャンダイジングによるものです。一方、“MediaCo”はTVやスポンサーシップに集中していきます。我々が提出したビジネスプランは銀行にも評価されました。世界トップレベルの15クラブの総売上は平均で年間2億6千万ユーロですが、インテルは輝かしい名門であるにも関わらず、まだ2億ユーロ以下なのです。そこで、発展を目指すための基礎となる要素は3つです。1つ目は、クラブを健全な状態に戻し、その状態を保つようにすること。2つ目は、しっかりとした構造見直しを実施すること。そして3つ目は、売上げを増やすようにすることです。 再建、収入、経済面での規律が基本となるのです」


実質上の国際化を目指して

「イングランドのクラブや、レアル・マドリーやバイエルンといったクラブを見ると、同じようなビジネスプランに基づいた経営を進めているのです。これらのクラブは収入と出費のバランスを取ることを非常に大事にしています。ほとんどのクラブが、選手への人件費は収入の50パーセントを上回ってはいけないという志向を持っています。我々としては結果を出すチームを作りたいわけですが、インテルは今でもイタリアで最も出費が多いクラブの1つなのです。売上げを増やす意味では、より高度な国際化を目指してグローバル的な存在となることが重要です。インドでインテルアカデミーを発足するための協定を結びましたし、日本や中国、東南アジアやアメリカでも発展を目指して動いているところです。中国にはインターネットサイトに関する現地パートナーがいますし、現在他の国でも交渉を進めています。ツアーなどに関しても、今夏はアメリカツアーをやりますが、来年はアジアに行くことも考えられます。こういった数々の戦略によって売上げを増やすことを狙っていますが、同時に規律を設定して重視することも大事です。セリエAで最も出費が多いクラブなだけに、しっかりと収入を増やすようにしないといけないのです。もちろん、ピッチでの結果も大切です。昨日のバイエルン対レアル戦が0−4の結果になるなんて、誰も予想していなかったことでしょう。しかし、何よりも重要なのはどうやってクラブを健全にして、コンスタントに成長できるようにするかなのです。最終的には、我々はイタリア国内だけではなくて、世界を舞台にするクラブなのです。我々が実行しているビジネスプランは、すでに良い結果をもたらすことを見せています。これで他のクラブが機能しているように、我々にも結果をもたらしてくれることでしょう」


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