[ミラノ] "メアッツァ"スタジアムで行われたUEFAヨーロッパリーグ2012−13プレーオフ第2戦、インテル対FCヴァスルイは2−2の結果で終わった。ホームでのセカンドレグは厳しい展開となった。カステッラッツィの退場により10人での戦いを強いられたインテルは、確信と決断力を持ってプレー、粘るヴァスルイを退けて、ヨーロッパリーグのグループステージ進出を決めた。前半、先制ゴールを奪ったのはヴァスルイ。カステッラッツィがエリア内で相手選手を倒してPKを献上。スタンチュがこれを決めてヴァスルイがリードを奪った。同時に、このファウルでカステッラッツィにレッドカード。インテルは残る60分以上を10人で戦うことを余儀なくされた。後半に入り、31分、コウチーニョのパスを受けたパラシオが同点ゴールを決めたが、その3分後、ヴァスルイに再びリードを許す悪い展開となった。3点目を許すとプレーオフでの敗退を強いられるという危険な状況で、ロスタイムにグアリンの卓越した個人技がインテルに貴重な同点ゴールをもたらし、スタンドは歓喜、インテルはヨーロッパリーグのグループステージ出場を決めた。
前半:UEFAヨーロッパリーグのプレーオフ、インテル対ヴァスルイのセカンドレグは“メアッツァ”で開催された。ちなみに、ファーストレグではインテルは0-2の勝利を手にしている。試合前、このほどインテルを退団することを決めたジュリオ・セザルが“メアッツァ”のピッチでチームメートとファンに挨拶。グラウンドを一周、ファンとの感動的な別れをした。ジュリオ・セザルはピッチ中央でマイクを手にしてマッシモ・モラッティ会長、インテル、ファンに感謝の言葉を告げた。
ストラマッチョーニ監督は、DFラインを右にジョナタン、左にフアン・ジェズス、センターをサムエルとシルベストレで構成。中盤をサネッティ、カンビアッソ、長友、ワントップにパラシオ、トップ下にコウチーニョとカッサーノ、4-3-2-1という布陣でゲームに臨んだ。
キックオフ直後、ヴァスルイが積極的に攻め上がるがインテルは完璧なディフェンスでこれに対応した。13分にはインテルに大きなチャンス。サネッティが相手2人を相手に突破を試み、エリア周辺でスタンチュに倒されフリーキックを得る。インテルにとって最初の決定的なチャンス。カッサーノのフリーキックにサムエルが完璧にヘッドで合わせたが、ボールは惜しくもクロスバーを叩いた。
この試合での逆転を狙うヴァスルイは、サイドからインテルDF陣を崩す場面も見られた。ゲームは互角の展開。共に何度かチャンスを得るが、ゴールには結びつかない状況が続いた。
インテルにとってのチャンスは31分。カッサーノの縦パスにコウチーニョが反応。コウチーニョは体を半転、左足のシュートを試みたが、相手GKストラトンはボールを弾き出し、コーナーに逃げた。
そして、その2分後、インテルは思わぬ失点を喫することになる。33分、ゴール前に抜け出たアンタルをカステッラッツィが倒し、一発退場になると同時にPKを献上。インテルはこの時点で10人でのプレーを余儀なくされた。ストラマッチョーニ監督はカッサーノを下げ、ゴールマウスにベレツを据えた。スタンチュがPKを決めて、ヴァスルイがリードを奪った。
インテルは、残る60分近くを10人で戦うという苦しい状況に置かれた。1分間のロスタイムの後、前半が終了。インテルは0-1のリードを許してハーフタイムを迎えた。
後半:ハーフタイム時、インテルにメンバー交代。ストラマッチョーニ監督はサムエルに代えてグアリンをピッチに送り出した。10人での数的不利の中、後半の序盤、インテルは巧みにゲームをコントロールした。相手のボールを積極的にカット、高い地点でのプレッシングでヴァスルイに攻撃の糸口を与えなかった。21分にはFKのチャンスでグアリンがクロスを出すと見せて直接ゴールを狙ったが、ストラトンが辛うじてパンチングで防いだ。さらに25分には、サネッティが右サイドをドリブルで突破してニアサイドにクロス。パラシオが合わせたが、ボールは相手選手に当たり、コーナーキックになった。この時点までのインテルは全体的に高い集中が保たれていた。
だが、30分にインテルDFにほころびが見え始める。インテルDFのミスに乗じたチェレバンがベレツと1対1になり、右足でシュートを放つが、ボールはクロスバーの上を越えてひとまずは危機脱出。
そして、その直後の31分、インテルが同点に追いつく。カウンターアタックの起点となったのはコウチーニョ。パスを受けたパラシオが左足のシュートでストラトン背後のネットを揺らした。
だが34分、インテルの喜びもつかの間、ヴァスルイに2点目のゴールが生まれる。コーナーキックに飛び出たベレツがボールに触れることができず、それをバレーラがヘッドでゴールに流し込み、再びリードを奪った。インテルにとっては非常に危険な状況。3点目を許した時点でインテルはプレーオフ敗退になるという危機に陥ったのだ。
39分、パラシオに決定的なチャンス。グアリンからのパスから強烈なシュートを放ったが、ストラトンのナイスセーブに防がれた。ロスタイムに入って2分、エンドイのヘッドに飛び出したベレツが辛うじてパンチング。インテルベンチにとっては冷や汗ものの瞬間だった。
そして、ロスタイム3分、グアリンの個人技から同点シュートが生まれる。相手のボールを奪ったグアリンが相手2名をドリブルでかわした後、右足の鮮やかなシュートを決めてゲームを2-2にすると同時に、インテルのUELグループステージ進出を決定的なものにした。
インテル対FCヴァスルイ 2−2
得点者:前半35分 スタンチュ(PK)、後半31分 パラシオ、34分 バレーラ、92分 グアリン
インテル:12 カステッラッツィ;42 ジョナタン(後半37分、23 ラノッキア)、6 シルベストレ、25
サムエル(後半1分、14 グアリン)、40 フアン・ジェズス;4 サネッティ、19 カンビアッソ;55 長友;7 コウチーニョ、99
カッサーノ(後半34分、27 ベレツ)、8 パラシオ
控え選手:10 スナイデル、22 ミリート、24 ベナッシ、88 リヴァヤ
監督:アンドレア・ストラマッチョーニ
FCヴァスルイ:89 ストラトン;3 バレーラ、5 チェレバン、8 アンタル、9 スブルレア、10 スタンチュ(後半34分、88 ブハエスク)、16 カウエ(後半13分、18 サンマルテアン)、23 サラゲアヌ、25 トゥクラ、67 コルドス、78 エンドイ
控え選手:1 コマン;30 コスティン、33 ハラランブス、40 ヴァルガ
監督:マリウス・スムディカ
主審:マヌエル・デ・ソウサ(ポルトガル)
警告:後半22分 コルドス、後半36分 グアリン、38分 サンマルテアン、38分 コウチーニョ、43分 アンタル
退場:前半33分 カステッラッツィ
ロスタイム:前半1分、後半3分
観客:41,326人
広報部