[ミラノ] 5月17日の夜、マッシモ・モラッティ会長はマルタ島のインテルクラブがプロデュースするラジオ番組"Solo Inter"に電話出演し、数々の質問に答えながら下記の通り発言した。
会長、終わったばかりのシーズンは素晴らしかったとは言えませんが………
「過渡期のシーズンでした。技術面で決して良いとは言えないスタートを切ったので、そこから全シーズンを通して追いかける状態になってしまいました。それまでのことを修正するために何回か手を打ったのですが、実際そうやって問題が解決出来るわけではないので」
インテルは修復を施せば立ち直れますか?それとも、根本的に再建するべきですか?
「現在の選手でインテルに相応しい者を生かすようにして、同時に監督の考えに合った新しい選手、何よりもクラブのレベルに値する選手を探すべきです」
モラッティさんが会長になって以来手にした16タイトルの中で、もっとも思い入れがあるものは?
「チャンピオンズリーグと答えるのが当然でしょうね。ファンとクラブにとって大きな喜びと誇りですから。でも、3冠のシーズンで最も嬉しかったのは、シエナで勝った時でした。あれは一番苦戦を強いられた試合だったし、あの勝利がなかったら3冠にならなかったわけですからね」
インテルの公式マガジンが出版されなくなったのはなぜですか?
「経済面も含めた運営上の理由で廃刊になったことだと思いますが、私もインテルの月刊誌はインテルクラブのメンバーにとって重要なものだったと思っています。私も皆さんと同感で、適切な決断ではなかったと思いますね」
インテルの下部組織で育った選手が別チームに行かされるのはどうしてですか?
「インテルのトップチームでプレーするより、違うレベルのチームでプレーすることに適している場合があるからです。それに、出場機会を求めて他のチームでプレーする選手もいます。例えば、マッティア・デストロなんかは、ジェノアそして特にシエナで活躍して注目されるようになりました。インテルにいたら、今みたいな選手になっていなかったでしょう。現在、インテルにはプリマヴェーラやベレッティ世代でとても有能な選手がいますよ。これから監督と作っていくチームの中で、こういった若手にスペースが与えられていくでしょう」
アンドレア・ストラマッチョーニ監督はどうやってモラッティ会長を魅了したのでしょうか?
「とても頭の良い青年だと思っているので、彼に決めたのです。新鮮な風の必要を感じていたのです。一見、クレイジーな選択に思われたかも知れませんが、実際は正解と出ましたね」
インテルは今後もモラッティ家がオーナーを務めるのでしょうか?
「当たり前ですよ(笑)。それ以外考えられないですね。重要なのは、インテルは常に動き続けていることです。そして、オーナーが常に強いチームを作るために働き続けることですね。当分は、私で我慢してもらうつもりですよ………」
どうしてインテルばかりがファイナンシャルフェアプレーを意識しているように見えるのですか?
「他クラブはすでに経営状態が規定をクリアしているか、それなりの理由があって無視しているのかも知れませんね。いずれにせよ、ミシェル・プラティニ本人とサッカー界の行政がファイナンシャルフェアプレーの重要性と、それに違反した場合の罰の厳しさを改めて強調したので、今となっては誰もが意識しているみたいですね。規定の実施は延期になる可能性もあるらしいですが、とにかく注意を払わなくてはいけないことです。何はともあれ、健全な経営は重要ですしね」
ユヴェントスがユニフォームに3つ目の星マークを付けるのなら、インテルは3冠のマークを付けるというのはどうですか?
「それは良いアイデアですね。まあ、ユヴェントスが本当に3つ目の星マークを付けたとしたら、どのチームも適当に好きなマークを付けるようになるでしょうね。ユーヴェだって、空想に基づいたことなんですから。ただ、そうなったら"何でもあり"状態になってしまうでしょう」
モラッティ会長は、サッカーの世界で怪しい動きがあると感じてクラブから手を引くことも考えたそうですが、その後に疑惑が証明された時、どう思いましたか?
「感じていたことは正しかった、と思いましたね……… 」
ヴェスレイ・スナイデル、ルシオ、ディエゴ・フォルランの状況について説明していただけますか?
「スナイデルに関しては、我々は彼をこれからのインテルの中心的な存在として考えているので、まったく問題はありません。ルシオはここにきて、ちょっと混乱していることを示しているので、彼にとって移籍した方が良いのかどうか、様子を見ていきましょう。フォルランですか?選手たちはインテルの居心地が良いみたいですが、ケースバイケースで残留の余地があるのか、それとも他チームでプレーするのが正しい選択なのかを検討していく必要がありますね。残留に値する選手だけが残る?選手だけではなくて、クラブ全体のすべての役職について言えることです」
ジョゼ・モウリーニョとは今でも連絡を取っているのですか?
「もちろんです。彼は親愛なる友だし、インテルが大好きですからね。彼がエレーラみたいかって?性格上では違いがありますが、結果をもたらす能力の面では同じです。特に、仕事に最高の情熱を込める面が似ていますね。本当に仕事熱心でまったく疲れを知らないところがそっくりです。それに、頭が良いのと、勘が鋭い面ですね」
番組の視聴者で、これまで巨額をインテルに注ぎ込んできた会長にどうやって感謝を表したらいいのか分からない、と言う人がいるんですが………
「私の振込先を教えますよ………(笑)。冗談はさておいて、すべて大いなる情熱を持ってやってきたことだ、と伝えてください」
会長、来シーズンに向けてのメルカートでビッグな獲得は誰になるのか、生放送で今明かしていただけませんか?
「まだ言えないですし、とにかく分からないですね。先ほども話した通り、ファイナンシャルフェアプレーに注意を払わないといけないのが事実です。世の中はすごい勢いで動いていますが、サッカー界の勢いはもっと凄まじいですからね。いずれにせよ、我々は非常に良い感じで動いていると思います。どうにかファンが喜ぶような展開にするつもりです」
ラベッシについて、コメントは?
「今のところ言えるのは、このオペレーションがもし実行となった場合でも、経済面に注意しながら慎重に進められるだろうということです」
最後に、インテルクラブ・マルタの数多い会員へのメッセージをお願いします。
「全員に感謝していますよ。インテルに対してこれだけの情熱があると知ることは、私にとって本当に嬉しいことです。同時に、一層と責任を感じますね。インテルの競争力を一段と上げて勝つために、やるべきことはすべてやって見せるつもりです」
広報部