セリエA、インテル対ジェノア:ネラッズーリは 5ー4 で勝利

ストラマッチョーニ初陣はPK4本/レッドカード2枚/計9ゴールの乱戦。それでもインテルは勝ち点3を手中に

[ミラノ] 試合前日、アンドレア・ストラマッチョーニ監督は、『明日の午後5時数分前になれば、この1週間の練習の成果が出たかどうかわかるはずだ』と語っていた。結果的には成果が出たと言えるのだろうが、終盤のゲーム展開は心臓の弱い人にとっては少々きついものだった。4つのPK、共に退場者を出して10対10という乱戦の末、インテルは5-4で勝利をモノにした。
サン・シーロでインテルが勝ったのは、今年の1月22日、ラツィオ戦で2-1の勝利を手にして以来のもの。インテルはホームでの久しぶりの勝利を、7日前にプリマヴェーラを率いて"Next Generation Series"を制した後に、トップチームの監督に就任したストラマッチョーニの下で手にしたのだ。勝ち点3の獲得で勝ち点数を44に伸ばしたことにスタンドは大いに盛り上がったが、インテル、ストラマッチョーニ、そして、インテルのティフォージが終盤に冷や汗をかいたことも確かである。

前半:セリエAの第30節、"メアッツァ"でのインテル対ジェノア戦は、ストラマッチョーニ監督のトップチーム初采配のゲームとなった。新監督は、故障のマイコンの右サイドにはサネッティを、左サイドにはキヴ、センターはルシオ、サムエルのコンビでDFラインを形成した。中盤はポーリ、スタンコヴィッチ、カンビアッソ、前線はサラテ、ミリート、フォルランのトリデンテで構成した。
試合開始前、プリマヴェーラのチャンピオンズリーグと言うべき"Next Generation Series"の優勝トロフィーを持っての場内一周が行われた。"メアッツァ"の観客は、インテルのプリマヴェーラをヨーロッパ制覇に導いたストラマッチョーニ監督と、プリマヴェーラの快挙に盛大な拍手を送った。
新監督の下、インテルの面々は闘争心むき出しでゲームに臨んだ。キックオフ早々から攻め続けたインテルは、13分に先取点を奪う。カンビアッソからのパスを受けたサラテが、それを左サイドのフォルランにパス。フォルランのクロスをゴール正面でミリートがヘッドで合わせてゴール。インテルはトリデンテの3人が絡む形で先制ゴールを決めた。
20分、インテルは追加点の決定的なチャンスを掴む。ゴール正面から今度はカンビアッソがヘディングシュートを叩きつけるが、フレイに辛うじてセーブされる。
27分、一方的に攻め続けたインテルに2点目が生まれた。スタンコヴィッチからの縦パスにオフサイドラインぎりぎりで反応したミリートがGKと1対1に。ミリートはこれを確実に決めて追加点をゲット。
古巣相手でのゴールということでミリートは大きな喜びを表さなかったが、観客の盛り上がりは頂点に達した。もちろん、モラッティ会長の笑顔もはじけた。
さらに、38分に、インテルの3点目が生まれる。コーナーキックのボールをジェノアの選手が処理にもたつき、サラテのシュートがジェノア選手に当たり、右サイドにいたルシオの前にこぼれる。ルシオは鋭いクロスをフィード、中に詰めたサムエルがスライディングシュートでゴールネットを揺らした。センターバックの2人がアシストとゴールという珍しい形のゴールとなって、インテルは3-0とリードした。
ロスタイムに入った47分、ジェノアが1点を返す。スクッリのオーバーヘッドキックが前にいたモレッティの体に当たりコースを変えてゴールイン。結局、前半はインテルの3-1のリードで終了した。

後半:ハーフタイム時、ジョノアサイドにメンバー交代。ヴェローゾに代わってヤンコヴィッチが入る。後半に入ってすぐに、インテルが攻撃を仕掛ける。スタンコヴィッチが強烈なミドルシュートを放つが、フレイがタイミングよくセーブする。11分には、サラテが右足の強烈なシュートを打つが、フレイが辛うじてこれをセーブする。
インテルが追加点を奪えない状況下でインテルにとっては思わぬピンチが訪れる。スクッリがヘディングで中に折り返そうとしたボールが、サネッティの腕に当たり、ヴァレーリ主審は迷うことなくPKスポット指差した。パラシオがPKを確実に決めて、ジェノアは1点差に詰め寄った。
15分、ストラマッチョーニ監督は最初のカードを切る。スタンコヴィッチに代えて、グアリンをピッチに投入した(グアリンにとってはセリエAデビュー)。その直後、カンビアッソがファーポストを巻くようなシュートを放つが、わずかに枠を外れた。21分には、サネッティがドリブルで相手DFラインを突破、エリア内に入りシュートを打とうとした瞬間にベッルスキの背後からの危険なタックルを受けて倒れたが、レフェリーはファウルと見なさなかった。25分にはルシオがフリーでヘディングシュートを打ったが、ボールは枠を捉えなかった。
そして29分に、インテルに待望の追加点が生まれる。左サイドでボールをもらったサラテがドリブルでカットイン、右足でのカーブをかけたシュートでファーのサイドネットを揺らした。サラテの芸術的シュートで勝負あったかと思われたが、インテルは楽には勝たせてもらえなかった。
33分、インテルDFラインを抜け出たパラシオの足にジュリオ・セザルの手がかかり、PKを与えると同時に、ジュリオ・セザルにはレッドカードが提示された。10人になったインテルは、サラテを引っ込めてゴールマウスにカステッラッツィを入れた。PKをジラルディーノが決めてまたしても1点差に追い上げられた。
そして、39分にこの日2枚目のレッドカードが提示されることになる。シュート体勢に入ったグアリンを背後からのタックルで倒したということでベッルスキが退場処分を喰らうことになったのだ。PKをミリートが決めて(ミリートのトリプレッタ)、5-3とした。
44分、ボックス内に飛び込んできたスクッリとルシオが接触、レフェリーはまたしてもPKスポットを指差す。PKをジラルディーノが決めて再び1点差に追い上げたが、ジェノアの粘りもここまで。3分間のロスタイムの後、主審は試合終了の笛を吹いた。5-4で勝利を収めたインテルは勝ち点を44ポイントに伸ばした。


インテル対ジェノア 5-4
得点者:
前半13分 ミリート、27分 ミリート、38分 サムエル、47分 モレッティ、後半14分 パラシオ(PK)、29分 サラテ、35分 ジラルディーノ(PK)、40分 ミリート(PK)、45分 ジラルディーノ(PK)

インテル:1 ジュリオ・セザル;4 サネッティ、6 ルシオ、25 サムエル、26 キヴ;18 ポーリ、5 スタンコヴィッチ(後半15分、14 グアリン)、19 カンビアッソ;28 サラテ(後半34分、12 カステッラッツィ)、22 ミリート、9 フォルラン(後半30分、20 オビ)
控え選手:23 ラノッキア、55 長友、7 パッツィーニ、88 リヴァヤ
監督:アンドレア・ストラマッチョーニ

ジェノア:1 フレイ;20 メスト、3 カルヴァーリョ、13 カラーゼ、24 モレッティ;88 ビオンディーニ(後半37分、19 ホルケーラ)、4 ヴェローゾ(後半1分、11 ヤンコヴィッチ)、25 ベッルスキ;81 スクッリ、82 ジラルディーノ、8 パラシオ
控え選手:22 ルパテッリ、9 ゼ・エドゥアルド、10 ビルサ、18 アルハサン、21 ボーヴォ
監督:パスクアーレ・マリーノ

主審:パオロ・ヴァレーリ(ローマ)
警告:前半41分 モレッティ、後半17分 ポーリ、17分 ヤンコヴィッチ、33分 パラシオ、43分 メスト、44分 ルシオ
退場:後半33分 ジュリオ・セザル、39分 ベッルスキ
ロスタイム:前半2分、後半3分
観客:42,322人

広報部


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