[ミラノ] "スタッド・ヴェロドローム"でのファーストレグに引き続き、ここ"メアッツァ"スタジアムでもロスタイムでの攻防が勝負を決めることになった。いずれも、インテルが望んだ結果とは相反するものとなった。後半30分にミリートがゴールを決めてネラッズーリに勇気と希望をもたらしたが、ロスタイムでのブランドンの一発がインテルの息の根を止めた。その直後、パッツィーニのPKで、インテルは2-1の勝利をモノにしたが、アウェーゴールでチャンピオンズリーグ敗退を余儀なくされた。かくして2011-12シーズンのインテルのチャンピオンズリーグは終わった。
前半:今日のマルセイユ戦、ラニエリ監督はセンターバックコンビをルシオ、サムエルで構成、右サイドにマイコン、左サイドに長友を据えた。中盤をサネッティ、スタンコヴィッチ、ポーリで構成、2トップのミリート、フォルランの背後にスナイデルを配してゲームに臨んだ。カンビアッソとパッツィーニはベンチスタートとなった。
最初のチャンスはマルセイユ。ヴァルビュエナが左サイドから右足でミドルシュートを放ったが、これはジュリオ・セザルが難なくキャッチした。
8分にインテルに決定的なチャンスが訪れた。ポーリのパスを受けたサネッティが右サイドをドリブルで突破、折り返したボールをスナイデルがフリーでシュート。相手DFの体に当たってコースが変わったボールをGKマンダンダの信じられないようなセーブで防いだ。さらに、その3分後、今度は右サイドからのスナイデルのクロスにゴール前でミリートが胸でゴールに押し込もうとしたが、これも、マンダンダが見事に反応、インテルの先制ゴールを防いだ。インテルにとって、この3分間での2回の決定的チャンスを決められなかったのは手痛いこと。
その後、マルセイユは右サイドからの攻撃でインテルを何度か押し込むが得点にはならず。そんな中、34分には、フォルランが背後に抜け出し、中にいたミリートにクロスをフィードしようとしたが、ディアワラがボールをカット、インテルの先制点には結びつかなかった。38分にはレミがミドルシュート、ジュリオ・セザルがこれをコーナーに逃げる。その直後、ゴールから27メートルの地点でインテルがフリーキックを得て、スナイデルが打ったが、シュートに力なく、マンダンダが簡単にキャッチした。さらに、マイコンからのクロスにフォルランがヘッドで合わせたが、シュートは枠を外した。2分間のロスタイムの後、0-0で前半が終了した。
後半:ハーフタイム時のメンバー交代はなし。マルセイユが執拗なプレッシングをかける中、インテルは徐々にゲームを支配していった。そして9分、ヴァルビュエナのミスからスナイデルが左サイドで完全にフリーになったが、スナイデルのクロスは正確さを欠き、相手DFにクリアされてしまった。この時点でラニエリはカードを切る。スナイデルに代えてオビ、フォルランに代えてパッツィーニを投入した。そして、メンバー交代がインテルにリズムをもたらす。オビは積極的に攻撃に絡みクロスをフィードする。そのクロスに合わせてパッツィーニが飛び込む。さらにこぼれたボールにパッツィーニが絡むという展開。インテルの攻撃のリズムの中、ディアワラがエリア周辺でポーリを倒し、インテルにFKのチャンスが訪れた。絶好のポジションからのFKをスタンコヴィッチが狙ったが、ボールは枠を外れた。26分にはマルセイユにもチャンス。ヴァルビュエナのクロスに頭ひとつ抜け出たディアラがヘディングシュートを放つが、ジュリオ・セザルが腕を伸ばし、辛うじてコーナーに逃げた。
そして、後半30分、コーナーキックから待ちに待ったインテルの先制ゴールが生まれる。カンビアッソのコーナーキックはゴール前の密集にこぼれる。サムエルが前にいたパッツィーニにパス。ゴール前2メートルの位置からパッツィーニが打ったが、これがモレルに当たって再びこぼれたところを、ミリートが右のサイドキックで押し込んだもの。ファーストレグとの累計で1-1としたインテルは90分以内の勝利を目指して果敢に攻撃を仕掛けた。39分には左サイドで体を張ったパッツィーニがディアワラのファウルを誘う。FKのボールをマイコンがクロス気味のシュートを放つが、マンダンダがコーナーに逃げる。そして今度は右からのコーナーキックをマイコンが蹴る。セカンドボールがルシオにこぼれ、ルシオはそれを絶妙なチップキックでゴール前にフィード。GKの目の前でフリーになったカンビアッソがヘッドでのシュートを試みるが、ボールは無情にもクロスバーの上に行ってしまった。
そして、ロスタイムに入って2分、"メアッツァ"は静まり返ることになる。マンダンダからのロングキックがブランドンの背中に当たり、ブランドンの前に転がった。それを拾ったブランドンが、サムエルをかわして左足で強烈なグラウンダーのシュートを決めたのだ。マルセイユにとっては実に貴重なアウェーゴール。この瞬間、インテルの準々決勝進出の夢は費えた。その直後、ゴール前に抜け出したパッツィーニがマンダンダに倒されPKをゲット。これをパッツィーニ自身が決めたが、PKが決まった直後に試合終了の笛。インテルはアウェーゴールでチャンピオンズリーグからの敗退を余儀なくされた。
インテル対マルセイユ 2-1
得点者:後半30分 ミリート、47分 ブランドン、51分 パッツィーニ
インテル:1 ジュリオ・セザル;13 マイコン、6 ルシオ、25 サムエル、55 長友;4 サネッティ、5 スタンコヴィッチ、18 ポーリ(後半29分、19 カンビアッソ);10 スナイデル(後半13分);9 フォルラン(後半13分、7 パッツィーニ)、22 ミリート
控え選手:12 カステッラッツィ、23 ラノッキア、37 ファラオーニ、28 サラテ
監督:クラウディオ・ラニエリ
マルセイユ:30 マンダンダ:2 アスピリクエタ、21 ディアワラ、3 ヌクル、15 モレル;4 ディアラ、17 エムビア、18 アマルフィターノ、28 ヴァルビュエナ、20 A.アユー(後半49分、1 ブラチリアーノ);11 レミ(後半43分、9 ブランドン)
控え選手:13 トラオレ、24 ファンニ、7 シェイル、12 カボレ、23 J.アユー
監督:ディディエ・デシャン
主審:ペドロ・プロエンサ(ポルトガル)
警告:前半24分 サネッティ、後半8分 サムエル、22分 ディアワラ、23分 マンダンダ、45分 スタンコヴィッチ
退場:48分 マンダンダ
ロスタイム:前半2分、後半3分
観客:62,632人
広報部