ミラノ発 - 「インテルはファンタスティックな攻撃陣を擁する素晴らしいチームであった。我々はボールを蹴るアーティストだったんだ。素晴らしい時代だったね。みんなと上手くやっていたよ。25歳のときに、私はミラノの街で自分の家を見つけたんだ。インテルと共にね」
イシュトバン・ニェルシュは彼が亡くなる数年前の2005年に、1940－1950年代に活躍したインテルで思い出、チームへの愛情についてコメントしている。
彼は1924年に誕生した。ニェルシュは彼がインテルに在籍した6年間でリーグ戦133ゴールを決めている。彼はネラッズーリでプレー経験のある外国人選手の中でも最も多くのゴール（セリエA）を決めている。ニェルシュはこの時代では変わったタイプの選手であった。彼はモダンでクリエイティブな選手であり、常にソックスの上に白い足首用のサポーターを履いていた。
ハンガリー系のニェルシュはフランスで誕生した。彼は14歳のときにブダペストに行き、彼の兄弟と共に地元チームでサッカーを始めた。彼はチェコスロバキアで短期間の間プレーをし、その後、アルゼンチン人のエレニオ・エレーラが監督をしていたスタッド・フランセに加入。ここで彼はインテルと練習試合を行い、後にインテルの監督となるジュリオ・カッペーリの目にとまった。その後、このハンガリー人は1948年にインテルに加入した。
彼はインテル加入後のサンプドリア戦でハットトリックを決めた。ニェルシュはインテルでの最初のシーズンに26ゴールを決めてセリエAゴールデン・ブーツを獲得した。
ニェルシュは多くの試合で活躍していたが、彼のダービー戦での活躍は際立っていた。彼は自身初のミラノダービー戦で、先制ゴールを決め、インテルの勝利に貢献した（2点目はロレンツィが決めている）。このシーズン後半のダービー戦では2ゴールを決め4－4の引き分けに貢献。ニェルシュはACミラン戦で合計11ゴールを決めており、このゴール数はジュゼッペ・メアッツァが決めた12ゴールに次ぐ成績となっている。
ニェルシュは同様に歴史上の中で最も記録に残るダービー戦に出場した。1949年11月6日、ニェルシュはネラッズーリのメンバーとして同ダービーマッチに先発出場。そして、キックオフから19分で4-1でACミランに点差をつけた。だが、相手チームが盛り返し、最終的に6-5で勝利を掴み取った。4年後、ニェルシュは給与アップを要望し、クラブからのローン移籍金が再び支払われず、1953年11月1日のダービー戦に臨むチームから離れた。当時会長だったカルロ・マッセローニは、その件について何も行動に出なかったが、若きアドバイザーのジュゼッペ・プリスコが会長を説得してニェルシュは再びインテルに残ることになった。そして、このストライカーは自分自身をネラッズーリに留めてくれたプリスコに結果で恩返しをする。彼はダービ戦の54分から73分の間に3ゴールを奪う。その一戦は3-0でインテルがACミランを下した。その時のハットトリックがニュルシにとってACミラン戦での最後のゴールとなる。
その年のシーズン、ネラッズーリ2年連続のスクデット獲得に貢献したニュルシュはインテルを去った。
2005年、80歳のニェルシュは、彼がサッカーのキャリアをスタートさせたハンガリーの国境から数マイル離れたセルビアのスボティツァで息を引き取った。
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