アレックス・コルダーツとセリエAの夢

 かつてインテルユースのGKだったコルダーツのように、様々な経験を経て御伽噺のように夢を実現させる者もいる。

 ミラノ発 – セリエAでインテルのゴールを守る。それはアレックス・コルダーツにとって地平線の上に見えており、長年をかけて少しずつ実現に近づけてきた夢だった。しかしいつかは現実を見つめなければならない時が来る。そしてそれは、痛みを伴うことがある。

 それにもかかわらず、これまでの人生で苦難を経験してきた現クロトーネGKのアレックス・コルダーツはその大望を諦めなかった。ただ少し調整が必要だっただけだ。セリエA 戦でサン・シーロの素晴らしい芝の上に立つという望みは、コッラード・ヴェルデッリが監督を務めていたインテル・プリマヴェーラでプレーしていたコルダーツにとって、かつて所属したインテルとの対戦という形で実現することになった。

 インテルのプリマヴェーラ在籍当時、コルダーツはヴィアレッジョ・カップの無失点記録を更新し、チームの勝利に大きく貢献した。また、同選手はゴールポストの間で粘り強いプレーを見せ、2001-2002シーズンのカンピオナート・プリマヴェーラ優勝の際にチームを助けた。

 コルダーツは2003-04シーズンに、コッパ・イタリア準決勝でマルチェロ・リッピ率いるユヴェントス相手にファーストチームデビューを果たすも、この有望なスタートは予期されたハッピーエンドには繋がらなかった。セリエBやC1のクラブに期限付で貸し出された後、同選手はインテルを去り、トップリーグでプレーする道を模索する。それは数年後、NDゴリツァの選手としてスロベニアで実現した。

 スロベニアで過ごした後、コルダーツはスイスのルガーノに辿り着く。そこでピッチ内外でリーダーとなった同選手は、次に所属したクロトーネでも同じ役割をこなした。コルダーツは2015-16シーズン、クロトーネGKとして21試合でクリーンシートを達成し、セリエB年間最優秀GKとなる。そしてこのシーズン後、クロトーネはセリエA昇格を果たした。

 憧れのロードレース選手マルコ・パンターニに敬意を表し、ピンクのユニフォームに身を包むコルダーツは、イタリアのトップリーグでプレーするという夢を33歳でついに実現した。その喜びは留まるところを知らない。クロトーネがクラブ史上初めてセリエA昇格を果たしたことも合わせて考えると、これはまさに御伽噺のようなものだ。

 サッカー界で多くの経験を重ねてきたコルダーツは日曜日、スタディオ・エツィオ・スチーダで再びインテルと対戦する。そのインテルから、彼の素晴らしい物語は始まったのだ。


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