ミラノ発 – マウロ・イカルディがサン・シーロでのキエーヴォ戦で貴重な一発を決めたのは、約一年前のことだった。
彼のシーズン9ゴール目となったそのゴールは特別美しかったわけではない。ゴール手前3メートルの位置でこぼれ球をつま先で押し込んだだけだ。しかし、2016年2月3日のそのゴールは、インテルを1-0の勝利に導き、さらにそれが一ヶ月間で最初の勝点3となったため、とても大きな意味を持ったのだ。
同時に、イカルディにとってのセリエA・50得点となり、自身のゴールへの嗅覚をこれ以上なく強調する、2週間早い23歳の誕生日プレゼントとなった。
その数年前、ジェノアとのダービーマッチで彼は、セリエAという舞台でも得点できるということを自身の力で証明する。だが、イカルディの点取り屋としての才能が開花したのは、アルゼンチンで生活していた頃だった。
リオネル・メッシと同じ町、アルゼンチン・ロサリオ出身のマウロは、そのメッシ同様にニューウェルズ・オールドボーイズに入団する。
そしてメッシと同じく、若くしてスペインへ渡る。だが、そのライバルがすぐにバルセロナに加入する一方、マウロは、アルゼンチンの経済危機から逃れるため家族とともにカナリア諸島へ移住する。
そこで彼はベシンダリオに加入し、6年間で384ゴールをマーク。その活躍が認められ、2008年にバルセロナへ移籍した。
バルセロナの下部組織『ラ・マシア』で2シーズンを過ごすと、厳しい競争の中で38ゴールを記録。ペップ・グアルディオラ監督の下、イカルディはピッチでの動き方に磨きをかけた。しかし、自身の得点能力がより高く評価される場所を求めて次のステップを探すことになる。
こうしてサンプドリアのユースチームに加入したイカルディは、より多くのゴールを決めるようになり、最初のシーズンで19ゴールを決めて得点王に輝いた。
そして同シーズン、トップチームでのデビューを飾る。しかも、その途中出場したデビュー戦でいきなりゴールを決めた。そのゴールが決勝点となり、サンプドリアは試合に勝利。同時にセリエBのプレーオフ進出も決めた。
こうして19歳のイカルディは、セリエAでの居場所を自身の手でつかみ取ったのだ。
本来、セリエAでゴールを続けるのは難易度がさらに高まるが、それだけ重要度も増す。そして、その中でもユヴェントス戦でチームを2-1の勝利へ導いた2ゴールは、さらに重要な意味を持った。
しかし、長い目で見るとこれはただのウォームアップに過ぎなかった。
ユヴェントスとの2戦目でも彼はまた得点し、強豪相手に2連勝を果たしたのだ。それは彼の運命だったのだろう。
おそらく、インテルへの加入も彼の運命だったのだ。シーズン2試合目、相手はまたしてもユヴェントス。このイタリアダービーで移籍後初ゴールを奪取した。ちなみにイカルディ個人としては、1年間で4回目のユヴェントス戦となった。
2014-15シーズン、22得点を挙げたイカルディがセリエAの得点王に輝き、その翌年には早熟の才能が認められ、インテルとの契約を延長。さらには22歳という年齢でキャプテンに任命された。
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