ミラン発- 2016年インテル最後の試合(12月21日)、エベル・バネガがサン・シーロで圧倒的なパフォーマンスを披露した。
バネガのロングレンジから放ったシュートはインテルを勝利へと導いた。試合終了11分前にバネガがピンポイントクロスでマウロ・イカルディのゴールを演出した。バネガの完璧なパフォーマンスはスタジアム全体から惜しみない拍手を生んだ。
セビージャ時代にCKを蹴る度に称賛を受けたバネガの姿を目撃することができた。セビージャ所属時に2度ヨーロッパリーグを制覇し、両大会決勝でマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれている。
バネガはビッグゲームでより一層、力を発揮する男だ。だが、彼は若かった頃も同じだ。2007年夏、ロサリオで生まれたバネガはボカ・ジュニオールスでコパ・リベルタドーレス優勝を果たす。アルゼンチンのレジェンドであるホアン・ロマン・リケルメに、「この全ての称賛に感謝を述べたい。だが。あの19歳MFプレーをを見たかい? 」と言わせた。ボカファンの視線を集めた試合でもあり、元インテル選手ロベルト・バッジオも熱い視線を送っていた。
その年にバネガはアルゼンチン代表としてU20-W杯決勝でチェコ代表と戦い、セルヒオ・アグエロのゴールをアシストし、母国を優勝に導いた。
プレイメーカーとしてのバネガの能力は相手DFにマークされながらも、一番良いポジションにいる仲間を探せる天性の物だ。バネガの試合を読む力は非凡だった。チームは彼に自由にプレーするスペースが必要だった。あとは時間を与えることでバネガは完璧な精密さで試合をコントロールする。
「彼の頭の中では、彼は司令塔だ」と、ジョージ・グリファがコメントした。ジョージはアルゼンチン国内で素晴らしい若い選手をターゲットにするスカウトだ。そして、バネガを発掘した男だ。
ボカがバネガを一流のサッカーを叩き込み、育て上げた場所だ。その後、すぐにスペインのバレンシアが移籍金約20億円でバネガを獲得した。だが、グリファはバネガの違う一面を割り出していた。「私がバネガに最も惹かれたの部分は、初めて彼のプレーを見た時にテクニックよりもメンタリティーが素晴らしかったことだ。メンタリティーが強かったからこそ、バネガはバレンシアとサインしたんだ」このメンタリティーはピッチの上での話であって、ピッチ外のことではない。
バネガは契約に関して多くの言葉を発しないし、メディアの前でもない。バネガの本音はサッカーのフィールド上で語る。彼の右脹脛にニューウェルズ・オールドボーイズの紋章と“Solo Dios me entiende"(神のみが私を理解する)のタトゥーを入れている。
おそらく、バネガは正しいだろう。おそらく、私たちは違うレベルで全体を把握している選手を批判することに相応しくないのかもしれない。そして、おそらくだがラツィオ戦でのMVP級のパフォーマンスでインテルファンに、非常に卓越した選手がインテルにいることを気づかせたのかもしれない。