アントニオ・カンドレーヴァと書き換えられた運命の物語

 ネラッズーリのウィンガーへ:誕生日おめでとう!

 ミラノ発-ローマのTor de' Cenci地区で生まれたカンドレーヴァは、地元チームのユースでサッカーを始め、1996年にロッディジャーニに加わった。その後、2003年にテルテーナユースに移籍。若きカンドレーヴァは、2004年にプロチームに昇格し、プレーヤーとして成熟していく。彼は2007年までテルテーナでプレーし、その後セリエC1とBに籍を置く。

 2007年、ウディネーゼに移籍。しかしこの移籍は、20歳のカンドレーヴァのキャリアの中で最も厳しい時期の始まりだった。最初はリヴォルノにレンタル移籍し、その後4年間をユヴェントス、パルマ、チェゼーナで過ごした。彼のキャリアはセカンドギアで行き詰り、そのまま失速する可能性もあった。しかし2012年1月、移籍市場の扉が閉ざされかけたところでカンドレーヴァはラツィオに籍を移した。ローマに戻るチャンスは、カンドレーヴァが再び手にしようと心に決めていたことだった。

 4月7日から遡ること数ヶ月、ラツィオはホームにナポリを迎えた。試合開始から数分、カンドレーヴァはペナルティエリア内右手側でボールを受けると、強烈なシュートをゴールネットに突き刺した。恐らくこれが、この試合の、そして彼のキャリアのターニングポイントとなった。彼は広告柵を乗り越え、ファンが喝采を贈る北カテゴリーに駆け寄った。当時25歳、カンドレーヴァはついに彼のホームを見つけた。その後彼はラツィオで4年間プレーし、エドアルド・レヤ、ステファノ・ピオリに学び、コッパ・イタリアで優勝することになる。ラツィオに忠義を尽くしたカンドレーヴァは、ファンにとっての聖人サンタントーニオになった。

 インテルが登場するのは2016年の夏だ。リーグ優勝できるチームの構築を目指していたネラッズーリは、時間を費やし、ハードワークして目標を達成するプレーヤーを探していた。カンドレーヴァがこの条件にフィットした。インテルでのカンドレーヴァの最初のインパクトは、ナポリ戦でのラツィオにとっての衝撃ほど目を見張るものではなかったが、ネラッズーリ加入後、初ゴールを決めたのは他でもない、ダービー戦だった。

 インテルはすでにACミラン相手に得点を奪っており、これは多くの人にとっては上出来な結果だったが、障害を克服すること、思春期にホームを離れて夢を追いかけることが意味することを知っているカンドレーヴァのような選手はそれで満足しなかった。そして、このウィンガーが放った巧みなシュートが、ジャンルイジ・ドンナルンマの指先をすり抜けてネットに吸い込まれた。彼が大いに歓喜して両手を大きく広げると、ファンは新たなヒーローを歓迎した。

 カンドレーヴァは、このようなゴールのために自身の人生を賭けている。なぜなら、人生とは、戦うことを決して諦めない人に道を開くからである。

アレッサンドロ・バイ


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