トヒル会長「このプロジェクトにおいてクラブはピッチ内外で成長している」

最近Goal.comと行われたインタビューでの会長のコメント

ジャカルタ発-最近行われたGoal.comとのインタビューでエリック・トヒル会長はマンチーニ監督からインテルの財務状況、インドネシアサッカー界など様々な分野についてコメントした。

今シーズンインテルにとっての主な目標はヨーロッパリーグ?

「ヨーロッパリーグは厳しい戦いだ。けれども我々は可能な限り前へと進みたいと思っている。我々はセルティックと対戦することになるが、次の戦いのためにもこの試合で勝ちにいきたいと思っている。この戦いで我々はチャンピオンになりたいと願っている。ベストになるためにも我々はベストを尽くしていかなければならない。マンチーニ監督との契約はその目標の一つだ。なぜならば監督は非常に経験豊かであり、彼と共にチャンピオンズリーグで戦いと思っているからだ。また我々は新しい選手を手に入れ、チームを改善してきた。我々は常にベストを尽くしたいと思っている。我々がどれだけ目標を達成していくのかはわからないが、ベストであるために最大限の努力をしてきている。」

次のチャンピオンズリーグには出場できないといううわさが広がっているということがクラブの財政状況に影響を与えることになる?

「噂を基に自分の意見を述べる人々を見るのは興味深い。我々はインテルは世界でもトップクラスのサッカーブランドであるということをしっかりと認識しなければならない。我々の年次収益が可能な限り早く世界でもトップ10のクラブになることを願っている。チャンピオンズリーグ出場なしで我々は1億8000万ユーロから2億ユーロの収益を達成できる。もしわれわれがチャンピオンズリーグに出場できれば、収益は明らかに増える。しかし我々がそれに出場できなかったとしてもインテルにとってそれは問題にはならないだろう。しかしながら、我々はサッカー界のブランドをけん引するクラブであり、非常に多くのファンをベースにするクラブだ。我々は高いところを狙って行くべきだ。我々が9位や10位で終わってしまえばそれはインテルではない。我々の目標はチャンピオンズリーグまたはヨーロッパリーグだ。」

今シーズンインテルにとって何か財務的な課題はあるか?
「多くの人がファイナンシャル・フェアプレー(FFP)のレギュレーションについて混同しているところがある。全てのヨーロッパクラブはこのルールに従う必要がある。これはアメリカのサラリーキャップ(クラブの収益に対し選手に支払う年俸の上限規定)に少し似ているところがある。しかしFFPは異なる形で働く。これはUEFAがサッカービジネス界でクラブが健全に運営されているように見えて最後には破産してしまうような状況を避けるために経営がきちんと適切にされるように決めた独自の方法だ。FFPはクラブの収益に応じてクラブの支出を慎重にすることをしっかりと監視する。その状況はインテルにも当てはまる。チームを築き上げるための近道はあるとは思えない。我々には長期にわたるプロジェクトが必要だ。我々が選手と契約を結ぶとき、チームの要望に基づいた選手と契約することをしっかりと確認していかなければいけない。」

インテルはマンチェスターユナイテッドやパリサンジェルマンが行ったように近い将来ビッグスポンサーを探すことになるのか?

「スポンサー探しは我々の計画の中に入っている。だからこの仕事をしてもらうために最高の人材を迎え入れた。我々はマンチェスターユナイテッドから最高の人材を見つけ契約を交わした。マイケル・ボーリングブロークはCEOとして、ジェームズ・ホワイトはデジタル収益管理部門の長として、デヴィッド・ガースはスタジアム収益管理部門長として契約を交わしている。クレア・ルイスも同様にアップルから我々の新しいマーケティングディレクターとなり、ダン・チャードはAEGというエンターテイメント業界最大の会社からやってきた。つまりこの動きはスポーツ産業も同様ビジネスシーンにおいて収益改善に集中していることを示すものでもある。我々には偉大な監督であるマンチーニ監督がいる。最高クラスのCEOを迎え入れないわけにはいかない。それを我々はすでにやり遂げた。ビジネスとスポーツはコインの表裏と同じだ。スポーツの技術面と経営チームとの間にはバランスが必要だ。もしマンチェスターユナイテッドがチャンピオンズリーグに出場しなければ、スポンサー探しは彼らにとって問題にはならない。財務的な観点から見ればまだ彼らは良い位置にいる。だから彼らはビッグプレーヤーと契約ができる。チャンピオンズリーグで彼らが出場すれば、5億ユーロではなく5000万ユーロがもたらされる。バルセロナやレアル・マドリード、マンチェスターユナイテッドのようなビッグクラブにとって5000万ユーロは彼らの収益の1割にも満たない数字だ。だからチャンピオンズリーグに出場しなくても、それは大きな問題ではないのだ。サッカー界の状況で考えてみてマンチェスターユナイテッドやインテルがチャンピオンズリーグに出場しなければどうなるだろうか?ビッグプレーヤー達が9番目や10番目のチームに入団する前に考えを2回も変えることになるだろう。」

新スタジアム建設プロジェクトについては?財政的な観点からこのプロジェクトがクラブを救うことができるのか?

 「サン・シーロは世界でも最高のスタジアムだ。サンシーロはまた、とっさに頭のなかに浮かび上がるスタジアムの一つだ。ミラノで他に別のロケーションがあるわけでない。まあ様子を見てきたい。我々は間違いなく自身のスタジアムを持ちたいと思っている。しかし我々にはACミランとミラノ市との合意が残っている。我々はこの問題についてACミランと連絡を取り合う必要がある。(サンシーロに残りたいかそれとも移動したいかとの質問、もし移動したいというのであればそれはいつか?に対し)我々には用意ができている。自分達のスタジアムを持つことは多くの恩恵がもたらされるであろう。我々で建物をを管理もできるしチケッティングやスポンサーも管理することができる。さらに素晴らしい博物館を作ることができるし、座席やチケッティングも改善することができる。また適切にスポンサーも持てるしブランドのシステムを持つこともできる。今のことろはそれが難しい。ミランはエミレーツ航空がスポンサーについているし我々にはピレリが付いている。我々は長い期間を基にスポンサーをスタジアムで使うことができない。なぜならばいまだに会場をシェアしているからだ。我々は異なる色でプレーしている。赤と青だ。我々はお互いの関係とルールを尊重し合っている中だ。しかし我々はこの状況を解決していく必要がある。どんな状況であれ決めていかなければ。」

さらに詳しくスタジアムの建設予定地について

「サン・シーロになるだろう。もしくは他の場所になるのかもしれない。我々はACミランから多くの声明を聞いてきた。サンシーロを去るとか新しくスタジアムを建設するとかだ。それはかまわない。それについて我々は待つつもりだ。今後5年以内に彼らがスタジアムを去るという決断を下せば、我々自身で計画を練ることができる。」

クラブはマンチーニ監督と契約をしました。彼に与えた目標とは?彼から移籍市場においてファイナルコールはあった?

「チームに長期間の安定をもたらすためにも監督とは長期間の契約を結んだ。私から言わせればチームを作り上げるためには1年や2年で築き上げられるものではない。1,2年以上に時間がかかるものだ。だからこそ我々にはマンチーニ監督が必要なのだ。彼とは我々のビジョンを共有しあい、彼はチームを改善したがっている。しかし移籍市場については我々はFFPを尊重して動いている。決定を下すプロセスにおいては選手と契約を結ぶことに我々は正確を期して行っている。私は一人では決定を下さないし、マンチーニ監督も同じだ。我々は課題についてお互いに議論し合い、感情的ではなく、我々の考えをサポートするためにこれまでのデータや戦略を基に何がインテルにとってベストなのかを考え決定を下している。」

もし監督が目標を達成しなかった場合、マンチーニ監督の地位は取って替わることはあり得る?

「先ほど述べたとおりマンチーニ監督とは長期間の契約を結んだ。我々は彼が上手く指揮していくことを信じているし彼はここ最近の試合で結果を出してきた。彼はインテルでもイタリアサッカー界でも部外者ではない。彼は海外のクラブを指揮してきた。だから彼には試合において世界的なビジョンが備わっている。彼は経験豊かな監督だ。だから我々は決断を下した。時折結果は難しい決断をするように迫ってくる。マッツァーリ監督の時のようにだ。(彼との間には問題があった?)それはない。マッツァーリはここインテルで一生懸命仕事に取り組んでいたし、チームのためにベストを尽くしてくれた。しかし結果は下降線をたどり、ファンはだんだんと彼に背を向け始めた。彼にとっては生易しい状況ではなかった。」

ハビエルサネッティのクラブにおける役割に長期にわたる戦略はあるのか?

「彼はマネージメントチームの一員だ。彼は我々の副会長でもある。我々は彼とは多くの議論を交わしている。彼は素晴らしい人物であると考えているし、彼なら世界中を探索しインテルを手助けできると願っている。なぜならば彼はクラブの伝説だからだ。彼は今やミラノエキスポ2015の親善大使を務めている。そして彼はただインテルに属しているだけではなく、ミラノ市の代表と全イタリアを代表する人物でもある。彼と共に仕事ができることは大きなアドバンテージだ。」

多くの人が未だになぜシャキリはリバプールよりもインテルを選んだのかを不思議に思っています。どのようにして移籍が決まったのか?

「先ほど言った通り、我々は唯インテルのために最高な選手と契約を結びたいと思っている。我々はチームにウイングが欠けているを認識していた。だから我々はW杯王者のポドルスキと契約を交わした。彼ならバイエルンミュンヘンとアーセナルの経験を生かして我々を助けてくれるだろう。一方で我々はチームを作り上げたいと思っているし、チームの平均年齢を改善していきたいと思っている。現在クラブの平均年齢は26.5歳だ。だから我々はマテオ・コヴァチッチやマウロ・イカルディやシャキリといった我々の未来でもある選手が必要だ。前にも説明したとおり、インテルはビッグクラブであり、リバプールと我々に違いはない。それも同じことだ。我々には大きな歴史が横たわっており、かつて我々はチャンピオンズリーグで3度優勝を経験している。我々はセリエAにおいて唯一降格を経験していないクラブだ。選手がチームのためにプレーしたいチームでいることは我々の伝統の一つでもある。」

インテルは今やヨーロッパで最も才能ある3人の選手を擁しています。イカルディ、コヴァチッチそしてシャキリです。クラブは彼らを中心にチームを作り上げていくつもりですか?

「我々にはもっと成長していく若い選手がいると思う。フアン・ジェズスやドドだ。また我々にはボナッツォーリといった将来を約束されたプリマヴェーラの選手がいる。我々はアカデミー出身の選手で将来のスター選手や経験に富んだ選手でチームを作り上げるために精力的に仕事に励んでいる。けれども答えはイエスだ。我々は確かにコヴァチッチやイカルディ、シャキリには注目している。」

1月の移籍市場において他に計画はありますか?

「2月2日までまだ時間はある。しかし我々はすでに行動を起こした。今年はエルナネスとダンブロージオとちょうど移籍市場が閉まる直前に契約を交わした昨年とは違う。忘れないで欲しいがインテルには今や28人もの選手がいる。次のシーズンでセリエAは登録選手を25人までしか許可をしない予定だ。それについて語れば、我々は獲得するいかなるチャンスがあればそれについて精査していくつもりだ。でも未来についてコメントはできない。いかなることが起ころうとインテルにとってベストなことは全て我々はやっていくつもりだ。我々はチームに信頼をおいている。」

マンチーニ監督は移籍市場において候補者名簿を挙げている?

「答えはイエスだ。しかし私から言えば、獲得するチャンスが出てくるか次第だ。我々は彼の候補者リストを見たし、すでにいくつかの候補者とは契約にサインをしたよ。」

今月退団する予定の選手はいる?

「状況にもよる。他のクラブから興味があれば、彼らの意見に耳を傾けるつもりだ。それよりも我々がオファーを受けるか受けないかは全て我々の決断にかかっている。我々は現実的に考えていく必要があるし、我々には25名の選手が必要だということを覚えておかなければいけないし、平均年齢が26.5歳だということも知っておかなければならない。」

コヴァチッチやイカルディを放出する場合どのようなオファーがなされるべき?

「それについては答えは出したと思う。様子を見ていくことだろう。でも私は言った通り、どんなオファーでも受ける義務はない。彼らは我々にとって大切な選手なのだから。」

DCユナイテッドと新スタジアムについての計画は?

「DCユナイテッドはワシントンDCの政府から新スタジアム建設の許可を受け取った。メジャーリーグサッカー20チームのうち16チームは自身のスタジアムを持っている。20チームのうち4チームはDCユナイテッドを含め持ってはいない。スタジアム建設と新スタジアムを所有することは我々の優先事項だ。DCユナイテッドはMLSにおいても最高のチームだ。そして我々は多くのタイトルを獲得してきた。その伝統を我々は持ち続けていきたい。私は偉大な歴史と完全に透明性のあるものと共にチームに投資をしていきたいと思っている。だからこそ私はDCユナイテッドとインテル、NBAのセブンティーシクサーズに投資することを選んだ。」

DCファンは新スタジアムに移動するチームにオーナーが新しい選手に投資することを期待することはできる?

「我々はすでに彼らには投資はした。ヨーロッパと同様のレベルではないが。彼らにはアメリカにおけるサラリーキャップというものがある。しかし我々にはしっかりとまとまったチームがあるし、そのうちの3人はアメリカ代表チームに招集されたことがある。ビル・ハミッド、スティーブ・バーンバウム、ペリー・キッチンなどだ。我々にはファビアン・エスピンドーラやショーン・フランクリン、ボビー・ボズウェルといった偉大な選手がいる。我々は今や彼らの改善を手助けする必要がある。なぜなら彼らは非常に上手くプレーしているからだ。DCを手助けするためにもインテルの選手を送り出す可能性もある。きっと将来を約束された若手の選手だろう。MLSのようにビッグリーグでプレーすることは彼らにとって大きなチャンスとなるであろう。」

近い将来インドネシア出身の選手がインテルやDCユナイテッドにやってきてトライアルに参加する可能性はある?

「そう願っている。しかしこれまでのところずっとそのようなチャンスはやってこなかった。私はこれまでずっと何度もサッカースキルのベースを上げていく必要があることを説明してきたし、彼らにはファイティングスピリットを改善していくべきだと説明してきた。適応力ももう一つの問題だ。彼らには現地の文化に適応していく必要がずっと必要だった。だから根っこからの発展は非常に大事なことだ。なぜならば若い子供たち(12-14歳)は年上達(18-19歳)よりももっと簡単に環境に適応できるからだ。だからサッカーアカデミーは大切なのだ。」

インドネシアU19については?彼らは黄金世代だと考えられている?

「ヨーロッパで活躍するには彼らは遅すぎると思う。だがアメリカであれば可能性はまだある。アメリカにおけるサッカーはここ3年間で大きく成長を遂げている。ワールドカップを見てみればわかることだ。インドネシアサッカーはヨーロッパについて言うまでもなくまだまだ後進国だ。ヨーロッパではアフリカや南米出身の選手がいる現地チーム同士で素晴らしい大会がある。我々は非常に若い年齢からこれと似たようなユースプログラムを課していく必要がある。成功に満ちた日本人や韓国人選手をモデルに我々の模範として使って行くべきだ。我々はそのような国からの選手がヨーロッパクラブのハイレベルな大会で活躍する選手が出てくるのを様子見している。中国もしかりだ。ここ最近ブンデスリーガでもずっと拡大し続けている。」

ということは近い将来インドネシア人選手がインテルに入団するチャンスはないということですか?

「可能性について難しいとは言っていない。ただ選手自身次第だということだ。彼らに能力があるのかそうでないとは判断はできない。きっと天才キッズが現れたら考えるだろう?」

インテルの未来の才能をスカウトするためアジアカップにインテル選手を派遣しましたか?

「もちろんだ。ブラジルで行われたワールドカップの結果をみるために同じく派遣した。もちろん、スカウト活動は我々が基本的に取り組まなければいけない事だ。可能性のある目標についてコメントするにはちょっと早すぎる。」


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