ミラノ発‐20日午前中のミラノのウェスティンパレスでのインテルの株主総会開催に従って行われた記者会見で新しい試みがなされた。トヒル会長がインテル経営陣を従え記者会見での複数の質問に答えた。ここにこれからの経営方針について語られた内容をお伝えする。
フィナンシャル・フェア・プレーについて(財政課題)
エリック・トヒル談
「我々はファイナンシャル・フェア・プレーの規定に従い設けられたルールを尊重しなければならない。特に真新しいものはない。我々はこのような状況に慣れ親しんでいるし、我々はこの課題で経験がある。似たような状況での話で例を挙げれば、3,4年前にアメリカで同じような課題が出てきた。私はファイナンシャル・フェア・プレーにはポジティブなメッセージが含まれていると信じている。(ファイナンシャル・フェア・プレー=FFPの規定が)単純に個々の問題でクラブが暴走してしまうこと防ぐためのものだ。他の国々においてはFFPがすでに導入されている。クラブがある街のイメージは様々な脅威にさらされている。FFPに関わる全ての要素は非常に重要だ。というのもインテルはイタリアのビッグブランドであり、そのブランド自体保護されるべきだからだ。我々は他のクラブとともにイタリアだけではなく世界で通用する力を持ったクラブでなければならない。我々が持つ課題を解決していくのには2年から3年の時間を要する。昨シーズン我々は良い結果を出すことができ、ヨーロッパリーグ出場も果たした。チャンピオンズリーグにも出場できればと思っている。(出場できると思うのは)当然だろう。私は手堅いチームと良いプロジェクトプランに絶対の自信を持っている。我々のプロジェクトは1年から次の年にまたいでは進行はしない。」
マイケル・ボーリングブローク談
「我々はファイナンシャル・フェア・プレーのルールに賛成している。FFPは道理にかなったアイディアだ。FFPはヨーロッパサッカーを強固にするだろう。我々は一クラブとしてFFPを支持する。我々はFFPの制限によって決められたルールに従ってクラブの5カ年計画を終了しつつある。我々はクラブの金銭的損失を予想していない。それはまずない。UEFAと会談を持った理由は蓄積された過去の損失がFFPのレギュレーションから逸脱していたためだ。我々は委員会と会談するためにスイスのニヨンに行き、そこで将来の計画について説明をするように言われた。委員会には過去の逸脱した内容を喜んで修正していくと約束した。過去に我々が犯したミスを許さない規定が今はある。次の大きな予定は11月7日で、その日には監査が入る。どんな指摘でも受け入れ、我々はクラブの5カ年計画を慎重に事細かく修正していく。我々はどんな結果にせよ委員会の決定を受け入れるつもりだ。我々は将来に向けて計画を練っているところだ。大ざっぱにいえば、財務の透明性というものは我々の挑戦になるだろう。それと同時に透明性とは非常に重要なことで必要不可欠なことだ。」
スタジアムについて
エリック・トヒル談
「スタジアムについて指摘したい3つの要素がある。:メディア、商業的側面、スタジアム収入の3つだ。今の段階でこれ以上話すことはできない。我々は定期的にクラブ内のことを話し合う場を設けている。我々は今から来年一月の間にクラブ自身の立ち位置について明らかにしていく。スタジアムはラ・ピネティーナや他のトレーニング・グラウンド同様に我々にとって戦略上重要な建築物だ。」
マルコ・ファッソーネ談
「サンシーロの所有権は3つある。我々とACミランそしてミラノ市だ。内部で最終決定を下すのに数カ月を要する。選択肢があるのは分かっている。数カ月は必要だ。時間はかかるが。確かに言えることはACミランとともに2200万ユーロ投資をすることだ。それぞれがチャンピオンズリーグ決勝戦に向けて新スタジアム建設に1100万ユーロを出し合う。いずれにせよスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァが意義深いリノベーション作業で改善されるのは確かだ。」
財務と経営について
マイケル・ウィリアムソン談
「お手元にある財務報告書は単体の会社としてFCInternazionaleに関するものだ。ご存知のように我々は資金調達を受けた。それによってInterメディア&コミュニケーションを設立した。融資を受けた2億3000万ユーロのうち2億ユーロはインテルとブランドの負債に当たる。一方で流動資産が3億ユーロ手元にある。資金集めとInterメディアコミュニケーション設立は、様々な関連会社が持つ負債を削減するために使われたものの、FCInternazionaleの価値を高めることを可能にした。」
マイケル・ボーリングブローク談
「正確にクラブを経営することにおいて全ての分野において我々はコストを考慮する。クラブのすべての分野は全てチェックされる。我々は他のビジネスと同様にどのようにお金が使われたのかを調べる。我々はFFPルールに従い、収入以上に支出が超過しないようにしっかりと確認していく。」
マッツァーリ監督について
ピエロ・アウジーリョ談
「マッツァーリ監督の契約に特別条項はない。2016年まで我々が契約延長した2シーズン分の契約だ。通常の年俸に加え目標達成した暁にはボーナスがプラス加算される。我々の意味する目標達成とは、ヨーロッパリーグで上手く戦っていくことと、我々の中で思い描く目標を達成すること例えば、チャンピオンズリーグ出場のことだ。我々は昨晩、共に前に進んでいきたいという意思確認をしスタートした。惨敗した2つの試合後に我々は自身の責任を認めた。チームにはW杯から戻ってきた選手が大勢いた。その状況では、最高な状態でパフォーマンスするのにもチームパフォーマンスがスローダウンする状況になりかねない。怪我や19日の試合のような難しい場面があったのにもかかわらず、我々はナポリ戦の後半で相手を陣地に押さえつけさらに巻き返しを図る大活躍を見せた。それが前進というものだ。それこそがマッツァーリ監督に期待することだ。」
ファイナンシャルフェアプレーについてその2
マイケル・ボーリングブローク談
「我々がFFPを支持する理由について私から言えることは、誰にでも財務の透明性を証明することを意味するからだ。インテルは透明性を示していきたい。我々には共有していく5カ年計画がある。他のクラブが取り組んでいくことと同様に全てはUEFAの決定次第だ。UEFAが財務の透明性の課題に関して全力で取り組んでいることを嬉しく思う。」
様々な状況について
エリックトヒル談
「私 はこれまで我々が取り組んでいきたことに絶対の自信がある。我々は正しい道筋を歩んでいると思う。収益はテレビ放映権だけでなくスタジオ収入、商業広告か らもあるのは明らかだ。マネージメントでは我々が思い描くことを達成するる為に上手く取り扱わなければならない差し迫った時間の枠というものがある。テレ ビ放映権にもこのようなルールで各種メディアとの合意事項がある。経営陣はテレビ放映権や商業広告、スタジアム収入などの収入増加を確実のものにしたい。 我々は様々なプロジェクトでは迅速に行動しなければいけない。我々が選手について話をする時には、選手の年俸が増える可能性がやってきたときは、世界でも トップ10のクラブにならなければならない。と話していることは認める。我がここ11カ月で取り組んできたことを考えて欲しい。今が我々が取り組んできた ことの結果だ。我々は様々なことを変えてきた。1月2日以来我々はクラブに新しい選手を連れてきた。我々はエルナネスやダンブロージオなど重要な買い物を してきた。また今年に夏にも大切な選手を買った。このクラブは正しくお金を費やしているし、お金も本当に少なく費やしている。我々はより強く戦えるように 新しい選手を連れてきた。しかし我々はただお金を費やすべきではなく、収益を増やす必要がある。もし我々の収支のバランスが同等でない場合、UEFAは FFPのレギュレーションに沿っていないと我々に警告をしてくるだろう。だからこそ私は非常に注意深いし、経営陣が行うことに最大限の注意を払うようにし てもらっている。これこそが戦えるチームを作る手助けとなってくれるだろう。これからの2年はイタリアサッカー界は困難に直面するだろう。我々は様々な要 素に対応していかなければいけない。一方で、経営にもお金をかける。けれどもしっかりと頭の中で目標を見据えていかなければいけない。誰か、去る1月に負 傷者を抱えていた今と同じ状況を想像できるだろうか?我々は2人の重要な選手が負傷し非常に危機的な状況のリスクを抱えていた。しかしながら我々はチーム にバランスをもたらした。我々は皆をインテルの一部であることに多くの注意を払ってきたし、もし我々の医師が十分に伝わらなければ、彼らにはインテルは理 解できないもののための場所ではないということを理解させる必要がある。19日の夜私は勝者と敗者の違いということについて話をしてきた。そして19日 我々はそれに上手く反応した。それこそ我々が続けていかなければいけない事だ。まだリーグ戦は7試合を消化しただけだが、私は経営陣とチームがやってきた 良い働きぶりや19日の試合の結果そして将来の楽観的な結果を見据え、確信するにいたった。リーダーとして先導役として私はどこでミスを犯したのか、起こ りうるミスは何か理解に努めなければいけない。さらに経営側の視点でどこでミスを犯したのかを指摘していかないといけない。我々はインテルにとって何がベ ストなのかを決めるために正確に決断をくだす。我々は困難な状況を克服し、その立ち位置から這い上がっていかなければいけない。そして最後に困難な状況で も強いチームを作り上げることが重要だ。これからの2年はセリエAにとって困難な時期がやってくる。チームのレベルアップについて我々には5カ年計画があ る。と同時に我々がともに仕事をしていかなければいけないクラブとと同じくしてセリエAリーグの一員だ。レガ・カルチョには海外に門戸を開いている。その おかげで私は他のクラブの会長の関係を築くことができた。サッカーはイタリアにおいて一つの基幹産業だ。もしこの国でスポーツ界が崩壊してしまったら、ど んなはねっ返りが返ってくるか想像できるだろう。クラブだけではなく、多くの人々やサッカーに携わり働く人々にとって恐ろしい結果が待っている。我々はイ ンテルとしてハードに仕事に取り組まなければいけない過渡期にある。そしてそれと同時に我々はこの変化を理解してもらうためにレガ・カルチョ全体と協力を していかなければいけない。世界でベストリーグとしてセリエAが9位に転落してしまうことを想像することができるだろうか?長い目で見ればポジティブな結 果が出ることを私は確信している。」
経営について
エリック・トヒル談
「こ れは私のせいではない(笑)。これはクラブが持つ歴史の形のひとつにすぎない。少し考えてみればボナッツォーリやスキアッカ、パラッツォはU19でプレー している。彼らはイタリア人だ。彼らは良い選手だし、インテルに所属している。マネージメントについて言えば同じことが言える。我々は戦いに強くなければ いけない。サッカーはもはやスポーツビジネスではない。それ自体メディアや消費者向け商品を扱う産業を含んでいる。それゆえにピッチ内外の両方で我々は サッカーだけに目を向けない事が大事だ。例えばスタジアムに目を向けると、もはやサッカーではない。私の娘はもう新聞を読んだりテレビを見ることはない。 彼女はずっとパソコンにかじりついている。それが彼女が慣れ親しんでいるいまの状況だ。世界は変化している。ファンとの絆を今以上に築くためには、我々は デジタル化に目を向けなければならない。そこで我々はこの分野で経験豊富な人材を集めてきた。ウィリアムソンはこの分野で3年の経験があるし、ボーリング ブロークも世界でビッグクラブでの経験もある。そして我々はアップルからクレア・ルイスを獲得した。彼女に初めて会ったとき、私は彼女にこう質問した。” なんのためにアップルをやめたのか?”と。彼女はビッグプレーヤーだ。これが我々のプランだ。我々にはデジタルメディア戦略がある。このプランのアイディ アはイタリアのインテルファンに限らず、スタジアムに来れないファンとの絆を築くためにある。インテル戦を見るためだけにイタリアを訪れるファンはいるだ ろう。スタジアムの近くで私は試合を観戦するためにやってきたアジア系の人を見たことがある。想像してみて欲しい世界中には2500万人ものファンがい る。今がファンの心をつなぎとめる必要なチャネルを作り上げる時期なのだ。偏見を持ってはいけない。我々は強いチームを作り上げねばならない。我々インテ ルの全員が良い仕事をしていると自信を持って言える。私はベストなクラブを持ちたい。」
マイケル・ボーリングブローク談
「私 はトヒル会長が選手とそうではない人との線引きは適切なことだと思う。選手は国籍によって選ばれない。クラブの経営スタッフでも同様だ。インテルスタッフ や選手はイタリア人でありそうでない人もいる。彼らは世界中の大きな組織からやってきた最高の人たちだ。我々はスポンサーシップの仕事のためにダン・ チャードを雇った。彼は世界でも最高の人材で、こうにも我々は彼を引き入れることができた。また我々にはアップル上級ディレクターだったクレア・ルイスも いる。アップルが世界でも屈指の会社でいることを疑う人はいないと思う。彼女はイタリア語は話せないがそれは特段問題ではない。ジェームズ・ホワイトはイ ンターネットとソーシャルメディアに注力し、クレア・ルイスとともに商業広告に力を入れていく。ジェームズはかつてマンチェスターユナイテッドで働いてい て、その分野においては最高の人材。しかも彼はイタリア語を流ちょうに話す。」
選手について
エリック・トヒル談
「こ れはマーケティングだけの問題ではない。インテルに選手がやってくるときや新しい選手を迎え入れるときは通常と比べてあまり良い状態の選手を迎え入れられ ない。インテルには最高の選手がいるべきだ。これは技術的な決断だ。また我々は選手の積極的な個性も考慮に入れている。」
ピエロ・アウジーリョ談
「私 はこれまでトヒル会長とは数ヶ月間仕事をしてきた。彼が説明したことを私は認識している。マーケットの側面から言えばインテルブランドは成長していると言 える。私は技術的な側面以外から何か物事を考えるように頼まれたことはない。我々はインテルのチームとしての技術面を改善する選手を常に探し求めている。 一番重要なことは選手がこのプロジェクトにおいてふさわしかということだ。非常にシンプルだ。このプロジェクトを軌道に乗せるためににふさわしい人物、例 えばヴィディッチがそうだ。私は彼と話し合いの場を持っている。これでお互いに困惑することもあいまいになることもないに違いない。ヴィディッチの移籍は 我々の分野の仕事において大きなものとなった。彼はフリー移籍でやってきたが、これからは自身の価値を示していく選手だ。移籍市場でこのチームのうちの誰 かを取引するのは確かだ。我々は世界中で何が起こるのかと細心の注意を払い動向を見守っている。2,3000万ユーロを支払いさえすれば強いチームが作れ るなんてことはまずない。良い値段で優れた潜在能力を持った選手を発掘すればいいものを、どうして将来そのようなことを我々ができないのだろうかと思う私 はそれ(高騰する移籍金について)が理解できない。」
「我々はクラブに在籍する選手を25人から26人で構成すべきということに決 めた。トップチームでいえば、ボナッツォーリがいる。私は時間が経つにつれてやってくる選手自身のチャンスや将来の可能性についてあれこれ言うつもりはな い。木曜日に我々には大事な試合が控えている。この試合は次のラウンドへのステップを踏むための試合となるだろう。我々はヨーロッパリーグ戦に真剣に取り 組んでいる姿勢を示してきた。次の試合はこれまで以上に非常に厳しい戦いになると予想している。今の段階ではベストメンバーがチームにはいないためだ。 我々はまだ10月の段階だけれども(負傷者が多いことについて)この週の3試合では選手を十分に活用できない。我々には経験豊かで質の高い選手がいる。私 は彼らが十分やってくれることを信じている。我々はヨーロッパリーグに何としても出場を決めたい。ヨーロッパリーグでの勝利でチャンピオンズリーグの予選 が簡単になるとは思ってはいない。我々は可能な限り上を目指していきたい。チームは非常に準備周到に戦いに備えてハイレベルで戦えるチームだと私は思 う。」
スポンサー、ピレリについて
マイケル・ボーリングブローク談
「6月にピレリとパートナーシップを結んで20周年を記念した。サッカーの歴史でも一番長いパートナシップとなった。それもあり、我々にとってピレリなくしての世界は想像できない。」
クリスマス親善試合について
マルコ・ファッソーネ談
「クリスマスの親善試合についてはまだ確認が取れていない。しかし、他でもなくはっきりとさせたいことは1月6日の試合に向けてどのチームを提供できるかということだ。条件さえ整えば、親善試合の調整ができる。7日から10日ほどの時間で調整確認していく。」
English version Versión Española Versi Bahasa Indonesia Versione Italiana
20.10.2014 THOHIR'S SPEECH - INTER SHAREHOLDERS' MEETING