ヴァルテル・マッザーリ監督がインテルチャンネル番組“MONDO INTER”に出演

指揮官はロベルト・スカルピーニの質問に答えながら、自身の伝記本“Il meglio deve ancora venire”について話した

[ミラノ] インテルチャンネル番組“Mondo Inter”にゲスト出演したヴァルテル・マッザーリ監督は、自身の伝記本“Il meglio deve ancora venire”(『最良の時期はこれから』、アレッサンドロ・アルチャートと共著) について語った。

伝記本を出版するという発想はどこから生まれたのでしょうか? 選手時代までさかのぼるのでしょうか、それとも監督のキャリアに関するものですか?

「私の監督としてのキャリアだけを振り返っています。なぜなら、選手時代の自分には特に満足していないし、そこにスポットライトを当てるのはどうかと思いましたのでね。出版社のリッツォーリから話が来たのがことの始まりでした。これだけ大きな出版社が私の仕事に関心を持つなんて、ちょっと驚きでしたよ。伝記を出すなんて思ったこともなかったわけですが、提案されて初めて考えてね。自分の私生活、今は18歳の息子と過ごす時間を犠牲にしてこれまでやってきたことを思い返して、引き受けることにしたのです。私はプライベートについて話さない主義ですが、今回は息子に父がやってきたことを知らせるために良い機会だと感じて踏み切ったのです。彼と一緒に時間を過ごせなかった父親が、その間どういう道を歩んできたかを私の言葉から知って欲しいと思ったのです」

息子さんのガブリエーレ君はさぞ感動したことでしょう。

「分からないですね。18と19の間というのは特殊な年齢ですし、感情を表に出さない年頃ですから。数年後に親父のこの気持ちを理解してくれると思いますよ。彼が月曜日にお父さんと遊びたいと思っても、私は会長から電話が入ってそっちに取られたりで、彼はかまってくれない親父だと感じたことでしょう。いろいろな事情を彼に理解してもらう気持ちを込めてこの本を出すことに決めたわけですが、彼がそれを良い意味で受けとめてくれれば嬉しいし、そうでなかったらそれでもいいですよ」

モラッティ会長が本の前書きを手掛けたことは嬉しかったですか?

「会長が出版社のリクエストに応じてくれたことは嬉しかったですね。皆さんもご存じの通り、私と会長の間には初対面の時から特別なフィーリングが生まれたのです。会長が本の前書きを書いてくれたことは光栄ですし、互いが尊敬する関係にあると言うことを意味していると思いますね」

本では、モラッティ会長との初対面についても語られているんですよね?

「本当に特別なことでしたからね。私みたいに低い地点からスタートした監督にとって、モラッティ会長なんて遠く離れた存在だったのです。努力を積み重ねてキャリアを築いて、ある日あれだけのカリスマ性を持った会長から声がかかったわけですから、それは私にとってすごいことでしたよ。偉大な会長、偉大な人間に魅了されていたら、握手の手を差し出されて『もしよろしければ、この瞬間よりあなたはインテルの監督です』と言われたのです」

夏のアメリカツアーの最中に、インディアナポリスでジョゼ・モウリーニョと会ったエピソードも本に載っているんですよね。

「彼が素晴らしかったと言わせてください。私がインテル監督に就任したと知った時点で、マルコ・ブランカTDを通じて祝福メッセージを届けてくれたのです。従って、(アメリカで)会った時は本当に良かったですよ。ロッカールームで男同士の話をしたのですが、私は(以前の口論について)自分の言い分を述べて和解するつもりだったところ、彼は『その必要はない、何もかも分かっている』と言ってくれたのです。お互い、自分が率いるチームのためだったら何でもやる監督なので、その辺は一瞬で分かり合えたのですね。そうこうしているうちに、試合が始まるのでと呼び出されました」

インテル対ユヴェントス戦終了後、スタジアムの外である女性に声をかけられたエピソードもありますよね。

「セリエAで10年間やってきましたが、物事がうまくいく時は新聞やテレビで大々的に褒められることがあります。しかし、時には誰も見ていないところで大きな喜びがあるものなのです。あの時、車でスタジアムを後にしようとしたら、ひとりの女性が大きく手を振っているのを見て、止まったのです。そうしたら、その女性が『監督、私の息子がお世話になっています。彼のためにいろいろとやっていただいて、ありがとうございます』って言うんですよ。『すみません、どちらさまで?』と聞いたら、『リッキー・アルバレスの母親です』という答えが返ってきたのです。私は感動して、『あなたの息子さんが優秀なんですよ』って言いましたが、厳しい試合で勝利を挙げたような喜びを感じましたね」

本のタイトルは『最良の時期はこれから』ですが、実際に最良の時期が訪れたら続編を出す予定なのですか?

「いやいや、単に縁起が良い題名として受けとめてください。今は決して簡単とは言えない時期ですしね。この本の出版がチームにツキをもたらしてくれて、良いシーズン終盤になることが願いですよ。ゲン担ぎの意味も含めて、これ以上は言わせないでください」

次のユヴェントス戦は、これまでホームゲーム10試合で全勝を達成する他、ローマやナポリを倒し、計30ゴールを挙げているチームとの対戦になりますが…

「我々は闘争心溢れる、積極的な姿勢を持ってトリノに乗り込むようにするべきです。全員がやるべきことをしっかりとやれば何が起きてもおかしくない、と信じて試合に臨むのです。堂々と戦う精神で95分間プレーして、あとは結果をみるだけです」


 English version  Versi Bahasa Indonesia  Versione Italiana 

読み込み中