[ルブンバシ(コンゴ民主共和国)] 赤い土が印象的な景色のアクセントとなっているのは、数々の木です。大きな木もあれば、小さい木もあります。若くて淡い色を持った後者は、薪になるためマチェーテで切り倒された古い木の後を継ぐ次世代、すなわち新しい命を象徴しています。そんな風景をバックに、大勢の少年少女が、ぼろ布をビニール紐で縛って作ったボールを追いかけて遊んでいるのです。
我々は赤くて肥えたこの土地に、誰もが子供の頃から熱中するスポーツを行えるための施設を作りたいと思っています。ここに生まれるインテルキャンパスは子供向けプログラム参加者だけでなく、すべての地元の人々に使っていただくセンターになります。大人も、女性の方も、サッカーが好きなすべての人のための施設になるのが目標です。戦争に反対し、夢を持ち続けて努力を積み重ねてきた人々の憩いの場所になることが、我々の願いです。
“ゴリラの国”・コンゴ民主共和国はジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』の舞台になっており、画家のシェリー・サンバの故郷である他、伝説のモハメッド・アリ vs ジョージ・フォアマン対決や、ジェームズ・ブラウンとBBキングのライブなどを筆頭に、数々の大イベントを迎えた土地です。ライオンや象、シマウマの土地であるコンゴは、バスケットのディケンベ・ムトンボの故郷でもあり、2010年クラブワールドカップ決勝でインテルと対戦したマゼンベの国です。植物と川と鳥類も豊富なコンゴには、“森の貴婦人”と呼ばれる特殊な動物オカピもいます。100年以上前からイタリア人、ベルギー人、フランス人、アメリカ人、中国人、ロシア人などが支配しようとしてきたこの土地では、紀元前4世紀から鉄の加工が始まり、世界中のアーティストのインスピレーションとなった素晴らしい木製の彫刻が古代から作られてきました。音楽も盛んで、ミュージシャンのパパ・ウェンバやタブ・レイ、そしてサミュエル・エトオが最も好きと言うコフィ・オロミデもコンゴ出身です。
この土地の人たちは、大自然と独特な関係を持っています。大自然にこそ、人間の生と死を決める権利があるのだと感じているように思えます。これは戦争にも苦しんだ土地ですが、我々としては戦争には興味ありません。我々は、いかに平和を広めて保つことができるのかに集中するだけです。その意味で、スポーツと教育というものが非常に大きな力を持っていることを把握しています。しかし、我々は『助ける』という観念ではなくて、『学ぶ』という心を持ってこの土地で活動を進めていきたいと思っているのです。『受ける』心がなくては、『与える』こともできません。
これからの、コンゴ民主共和国でのインテルキャンパスの発展を応援してください。素晴らしい世界へご案内することを約束します。
ガブリエレ・サルミ
非営利団体“Alba Onlus”
www.albaonlus.it
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