[ミラノ] ハッピーエンドを意味する帰国への長い旅に臨んだ私は、ブラジルで過ごした数日間を頭の中で振り返った。もうすぐ200回の出張を達成する身でありながら、こういう時に出る不安な気持ちは最初の頃と変わらない。自分自身に投げかける疑問はいつも同じものである。何もかもうまく行ったのだろうか? 向上できる部分はあるのだろうか? プログラムに沿った活動が行われたか、みんなの期待に応じることができたのか? そういうことを思いながら、今後一段と効率良く活動できるようにすることを心がけるのである。
インテルキャンパス・ブラジルの昔からの現地コーディネーター、デル氏と最後の挨拶を交わしたのはサンパウロだった。我々は今回、新しいセンターをこの町の2カ所のファヴェーラ、“アグア・ヴェルメーリャ”と“サント・アントニオ”でオープンしたのだ。現地担当者の修道士フラ・ヴィンチェンツォが『クリスマスと年末を待ちながら〜、インテルキャンパスばんざ〜い』というようなおもしろおかしいチャントを歌い上げ、雰囲気は最高に盛り上がった。
ジョナタンの双子の兄弟みたいな風情のデル氏と私は、インテルキャンパスが活動を発足した最初の国であるブラジルでの発展についていろいろと語り合った。現時点で、インテルキャンパス・ブラジルは2000人以上の少年少女と40人の現地インストラクターが携わっており、非常に大きな規模を誇るのである。
サンパウロの前は、レシフェに立ち寄った。現地担当者のアウグスト氏の案内で、我々はインテルキャンパス活動が行われる6つのファヴェーラを訪問したのだ。我々が現地に送るグッズはブラジル税関で足止めさせられ、なかなか通関できないという状況が長年続いたが、すべての子供たちが黒と青のユニフォームを身に付けてプログラムに参加している光景は感動を覚えるものだった。
今回のブラジル出張は、ナタル空港からの入国に始まった。大のインテルファンとして知られるイタリアのコメディアン、エンリコ・ベルトリーノと妻のエドナさんが立ち上げた慈善組織のスタッフが出迎えてくれた。空港から移動中、我々が目にしたのはアスファルトの敷かれていない赤い土の道と、漁師の村。その他には何もない地域だが、幸いにも自然が美しい。そんな環境の中にあるセンターはジャチント・ファッケッティにちなんで命名されており、70人程の少年少女が参加するインテルキャンパス活動が行われるほか、大人も子供も普段から利用する憩いの広場にもなっている。この人たちの日常生活に、黒と青のチームカラーが自然と溶け込んでいるのは微笑ましい風景に感じたことは言うまでもない。
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