[ミラノ] イタリア国営ラジオ放送 “Rai Radio 1” のスポーツ番組 “Radio Anch'io Lo Sport” のインタビューに応じたヴァルテル・マッザーリ監督は、まずエリック・トヒル会長にインテルに最適な指揮官だと言われたことについてコメントした。「当然、嬉しいですよ。監督にとって、会長がそういう発言をするというのはいつだって大事なことです。全体的な監督の仕事に一段と力を加えてくれますからね。彼に受けた初印象は非常に良かったです。気さくな人ですし、何よりも彼とマッシモ・モラッティ名誉会長の間に良い協力関係があることが伺えました。トヒル会長はモラッティのこれまでの選択やチームのプレーが気に入っているそうで、現時点では何もかもポジティブですね」
新しいオーナーがやって来たことでリオネル・メッシの獲得もただの夢ではなくなったと思うかと聞かれ、「現時点でそういう可能性があるようには思いませんが、それは監督が言うことではありません。メッシが来たら嬉しいかって? いいえ、そんなことはないですね…(笑)」とジョークで答えたマッザーリは、インテルの現状については次のように語った。「まず、作シーズンがどういう結果で終わったかを忘れてはいけないと思います。今はすでに非常に良い土台を作ったということは確実に言えます。ここから先はクラブがどういう方向に進むつもりかにもよりますが、その意味ではトヒル会長は明解な考えを持っているように感じます。インテルの試合を観ている人には、私が求めることの大部分をチームが実行していることが明らかでしょう。何ポイントかの勝ち点を取りこぼしたというのはありますが、一方ではそれなりの勝ち点を獲得しています。我々は重要な歩みを行っているということは、自信を持って言えることですね。ユヴェントスやナポリに比べてどの辺でまだ劣っているかって? ユヴェントスは2年連続で優勝していますし、しっかりと団結したチームです。ナポリは監督が代わったとは言え、昨季準優勝チームということで士気が高まった状態で新シーズンに臨みました。インテルはゼロから再スタートするという状況だったので、彼らとは大きく違いますね。我々らしいプレーを繰り広げてしっかりと勝ち点を獲っていけば、インテルだって近いうちにトップで戦えるようになりますよ。スクデット争いに参戦できるかって? 私は次の試合のことしか考えない主義です。特に、ゼロから再スタートしたチームの指揮を執っている場合はね」
かつてのラツィオを栄光に導いた名将、トンマーゾ・マエストレッリにちなんだ監督賞に選出されたマッザーリは、これについてはこうコメントした。「マエストレッリのような偉大な指揮官と私の名前が重なるなんて、大きな名誉です。聞いた話によると、私の監督としての考え方は彼のそれに似ているものもあるみたいですね。戦術面、テクニック面で選手を向上させることを目指しながら、日常生活の面でも彼らを支えるところとか」
トヒル会長が常にイタリアにいられないことについては「モラッティ名誉会長と良い連係があることが大きなプラスですし、クラブ幹部の存在が薄れて現場の我々が孤立を感じることなんてないでしょう」と不安を感じていないことを強調したマッザーリは、新会長から全面的な信頼を受けていることに関しては次のように話した。「すべてを任されているとは言っても、監督は選手の獲得を決めるわけにはいかないですからね。もちろん、意見を聞かれた場合はテクニカルディレクターやスポーツディレクターに自分の考えを述べますが、クラブとしての方針を監督が決めるわけにはいきません」
ディエゴ・ミリートの状態について質問されたマッザーリは、こう答えた。「(試合に出られるまで)まだ1ヶ月かかると思いますが、正確なことは言えません。現時点ではチームとの全体練習にまだ復帰していませんし、もう少し時間がかかると思います。イカルディについて? 残念ながらこれまでフルに練習できていなかったわけですが、それでも大きな素質を見せてくれました。まだ成長しないといけないので道のりは長いですが、有能なタレントですね。カンパニャーロ? 土曜日の練習試合で復帰して、20分間ほどプレーしました。状態は良くなっているし、今はベストコンディションを取り戻そうとしているところです」
なお、指揮官はハビエル・サネッティの復帰についてはこう述べた。「サネッティは誰からもリスペクトされている存在です。もちろん、本人も発言した通り、コンディションを上げていかないといけません。彼が以前のコンディションを取り戻してくれたら、他の選手と同じように起用するつもりですよ。私は全員の選手を公平に扱う主義ですし、いつだってチームが何を必要としているかだけを見るのです。サネッティはここからリーグが終わるまで、とても役に立ってくれることだろうと思いますね」
愛弟子のエディンソン・カバーニをインテルに連れてくるのはどうか? と言われたマッザーリは、「カバーニね… 。彼がパレルモから(ナポリへ)やって来てから、私はその価値を上げることに貢献したと思っていますよ。今は偉大なカンピオーネですからね。もちろん、彼が獲れたら嬉しいでしょうし役に立ってくれることでしょうが、今すぐにそういったことが実現する可能性はないと思います」と述べた。
以前に比べて選手のケガが減ったことについて「いろいろな要素が関わっていると思います。例えば、以前とは違って天然芝と人工芝を使い分けていることとかね。何よりも、スピードを追求するトレーニングが過去に比べて良い結果をもたらしているのだと思います」と話したマッザーリは、近い将来、外国のクラブか代表チームの監督を務める可能性について語って締めくくった。「まだ自分をクラブの監督として考えているので、代表監督を務めたいと思ったことはないですね。毎日の選手との仕事が好きなので。外国のクラブの指揮を執るというのは、可能性としてありですね。(ドイツ相手の親善試合での)イタリア代表は気に入ったかって? 気に入りましたよ。特に後半は失点を避けて攻撃を仕掛けるといった積極的な姿勢が見られたのでね。イタリア代表にしっかりとしたアイデンティティを与えようという意志が感じられます。これはポジティブなことですよ」
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