カンビアッソ:「マッザーリはチームのために全力を尽くす監督」

エステバンは国営放送の独占ロングインタビューで「彼はインテルのためになることをやりたがっている」と話した

[ピンツォーロ] 国営放送“RAI Due”の老舗スポーツ番組“La Domenica Sportiva”のインタビューに応じたエステバン・カンビアッソの一問一答は下記の通り。

エステバン・カンビアッソはこのインテルの最も経験豊富な選手の一人です。まず、調子はいかがですか?

「良いね。疲れているけど、調子は良いよ」

どのようなインテルが生まれてきているのでしょうか?

「現時点で言うのは難しいね。頑丈な土台を作っているのは間違いないさ。良い結果を出したい意欲に満ちた監督がいて、その監督が考えるサッカーというものを素速くマスターしようとしているチームがいるんだ。良いものが生まれる可能性があることは分かっているけど、インテルのようなクラブには時間の余裕がないというのも事実なんだ」

ヴァルテル・マッザーリ監督はこのサマーキャンプでチームにかなり厳しいトレーニングをさせたそうですが、どのようなものだったのでしょうか?

「良いトレーニングだったよ。まあ、キャンプでトレーニングするのは当然だからね。これの成果は、チームが最大限の力を発揮するべき試合の時に出てくれることを期待しているさ」

従来のキャンプとは違うトレーニングだったのでしょうか?以前より走っているように見えましたが。

「監督はそれぞれのやり方を持っていて、マッザーリは自分のやり方でやっているのだよ。これまで様々なチームで指揮を執って積み重ねた経験に基づくやり方なんだ。監督が自分のやり方を信じているのは当たり前のことだし、俺たちは全力を尽くして監督の要求に応じるようにするのさ。監督にはそれぞれの違いがある。選手たちにできることは、指示に従って努力することだね」

外部からは、マッザーリは“鬼軍曹”に見えます。数々の指揮官の下でやってきたあなたから見て、どんなタイプの監督なのでしょうか?

「チームのためにベストを尽くす監督だね。あとは一人一人、他人とは違うそれぞれの個性というものを持っているんだ。幸いにも人間には個性がある。これがなかったら退屈な世の中だろうね。マッザーリは何よりも、自分の仕事を通じてインテルのためになることをやりたがっている人なんだ」

特に印象深かったことはありますか?

「俺は監督についてあまり喋るタイプではないのでね。ポジティブなことを言うと、おべっか使っていると解釈されることになるから、監督についての発言は避けるようにしているんだ」

マッザーリのサッカーの基本は3バックみたいです。あなたが思うには、どういうサッカーが繰り広げられるようになるのでしょうか?

「良いサッカーになることが願いだよ。監督が長年使っているシステムというものがあるわけだ。中盤でのバリエーションとかもあるけどね。大まかに言えば、監督のサッカーは3バックと2人のサイドプレーヤーがキーで、サイドでのスピードがポイントだね。今までは対戦相手として対応してきたものだけど、今は彼の下で俺たちがマスターしようとしているわけさ」

今回、ピッチで同じ動きを何回も何回も繰り返す場面が印象的でした。こういったトレーニングはどれだけ役立つのでしょうか?

「非常に役立つことが願いだよ。間違いなく言えるのは、何回も繰り返すことによってメカニズムが自動化されて、チームメートの動きを記憶する効果があるということだね。それによって、確実に素速いプレーが可能になる。チームメートがどこにいるだろうか前もって分かっていれば、またパスが出される前からボールがどこに来るか把握できていれば、よりスピーディーなプレーができるし、相手選手より素速い反応が可能になるわけだ。これは現代サッカーでは非常に重要なことだからね」

ユヴェントスは戦力的に本当にかけ離れたレベルなのでしょうか?

「それは昨季の話だよ。新しいシーズンに臨むとき、前シーズンで得た栄光は、あくまでもチームの士気やファンのボルテージを高めるだけのものなんだ。俺だって、優勝した次のシーズンはそう思って臨んでいたよ。その意味では、インテリスタは素晴らしい愛情を見せてくれているね。ピンツォーロでのこの2週間はすごい人数で応援に来てくれたし、週末なんて練習場が超満員だったからね。前シーズンが良くても悪くても、新シーズンがスタートする時はどのチームも勝ち点ゼロなんだ。それで、一番多くの勝ち点を獲得していけるチームが優勝するんだよ」

これまではマッザーリ率いるナポリと対戦する際、戦術面で最も難しい点は何でしたか?

「それは言えないね。それを明かすとライバルチームにアドバンテージを与えてしまうので。言えるのは、決して簡単な対戦ではなかったということさ」

モラッティ会長がクラブを部分的に譲る可能性があることを思うと、どんな気持ちですか?

「まず、それが本当に実現となることかどうか分からないからね。何かについて喋る前に、実際の展開を待った方が良い場合だってある。もし会長が譲る決心を取る展開になったとしても、それは会長が自分のこと以前にインテルのためになることを思ってやることだと確信しているね。これはすべてのインテリスタにとって何よりもの安心要素だよ」

ハビエル・サネッティの不在はどれだけ影響していますか?

「彼がいないのは大きいね。ほぼ毎日連絡取り合っているけど、幸いにも足は順調に回復して行っているそうだ。アメリカでチームに合流する予定になっているんだ。彼はこれまで毎回のキャンプでみんなを引っぱる存在だったし、いないのは誰もが寂しいさ。でも俺たちは常に彼のことを思っているし、ここピンツォーロに来ている全てのファンも同じだよ」

ディエゴ・ミリートの状態はどうですか?

「ミリートは回復に向かっているし、ムディンガイにしてもそうだよ。二人とも、しっかりと治って復帰してくれるのが願いさ。ケガする前みたいにチームに貢献してくれることがね。みんな期待しているし、メディカルスタッフともちろん本人たちも真剣に全力でがんばっているよ。なるべく早く、というよりなるべく良い状態で復帰して欲しいよね」

たったの一ヶ月前まで、インテルは沈んでいくかのように思われていました。この一ヶ月間で、大いなる期待と盛り上がりをもたらしたのは何なのでしょうか?

「サッカーはとにかく、ダイナミックなスポーツなんだ。素晴らしかったシーズンからたったの2、3年しか経っていないのに、まるで10年や15年過ぎたような感じがするよね。とにかく、エネルギーを再生するようにして、前方にある目標に集中しないといけないんだ。過去のものはもう意味ないんだよ。目標を達成できていても、失敗していてもね。サッカーは昔からそうなのさ。インテルで何が変わったかというと、このクラブでいろいろなことを体験してきた人物に新しい人物が加わって、新しい冒険に旅立ったということなんだ。みんなで力を合わせて、良い結果を目指して新しい歩みを始めたのさ」

マッザーリは3位に満足するつもりはないと明言しました。あなたはどうですか?

「俺に言えるのはこれだよ。サッカー史を振り返ると、シーズン開幕時点での戦力だけを見れば絶対的に優勝候補に思えるチームが、結局タイトルを獲れなかったというケースがよくあるんだ。インテリスタは痛感しているはずさ。プレシーズンの段階では大きな戦力を誇っていても、スクデットがなかなか獲得できない時期が続いたわけだからね。だから、シーズンが始まる前の予想は当てにならないと思うね。俺たちは行けるところまで行くさ。インテルのようなクラブ、そしてその選手たちが望むことは、このユニフォームを身にまとってタイトルを手にすることなんだ。俺たちは勝利を目指してピッチに上がるんだ。このようなクラブの一員である限り、最高の目標を目指すこと以外は認められないのさ」

最高の目標というと、スクデットですよね。少なくとも理想を高く持って新シーズンに臨むのですか?

「俺たちの目標はまず最初の試合に勝つことだ。その次は第2戦、その後は第3戦に勝つといった感じで進んでいくのさ」

 



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