ピンツォーロ:ガスペリーニが指導者の仕事について講演

FCインテルナツィオナーレ主催の指導者セミナーの参加者54名を前にレクチャー

[ピンツォーロ] 「私は監督として初めて指導したのが、12歳の少年のチームでした。元選手としてプロサッカーの世界を知っていましたが、指導者の立場になって、そんな年齢の子供に何を教えればいいのかよく分からないということに気がつきました」。ピンツォーロの“PalaDolomiti”のコンファレンスルームでFCインテルナツィオナーレ主催のサッカー指導者向けセミナーが実施され、講演を行ったジャン・ピエロ・ガスペリーニはイタリア中から集まったユース/アマチュアチーム監督54名を前にこう語った。

「その時、私は勉強を始めました。イタリアには監督の仕事を学ぶための学校はないので、独自で研究を積み重ねて、自分なりの方法論を作り上げるしかなかったのです。もうひとつ気がついたことは、イタリアの下部組織ではフィジカルが重視され過ぎているということです。どんなに俊敏な動きをしても、身体が大きくなければ締め出されてしまうのですよ。一方、スペインでは小柄な少年も評価されています。身長が170センチ以上なければヘディングは出来ない、というような先入観をスペインは完全に打ち消したのです」

「本格的に監督をやる前に、私は自分だけの指導スタイルを見つけ出そうとしました。勉強するというより、自分なりにリサーチして、他人を真似て、それを独自にアレンジして、自分自身の方法論を編み出したのです。この方法論にはまだまだ課題は残っていますが、達成感はあります。監督の仕事で何が本当に大事かと言うと、それは独自の方法論を持つことだと思っています」

「私に最も大きい影響を与えた監督?戦術面では、エンリコ・カトゥッツィ氏ですね。残念ながら亡くなりましたが、1985-86シーズンにペスカーラで初めて“ゾーン”を戦術として取り入れた監督なんです。それまで、イタリアでは“ゾーン”という概念は存在していなかったのです。地方クラブのペスカーラが“ゾーン”のパイオニアになったのです。アリゴ・サッキ率いるパルマの“ゾーン”の前の話ですよ」

最後に、『サッカー監督の仕事をやっていて最も嬉しい時は?』と聞かれたガスペリーニは、迷わずに「練習で指導したことが、ピッチで実行される時ですね」と答え、講演を終えた。

FCインテルナツィオナーレ主催の指導者セミナーは昨日の夕方に始まり、明日まで続く。数々の講演が予定され、インテルの下部組織総責任者のロベルト・サマデンと、プリマヴェーラ監督のアンドレア・ストラマッチョーニもレクチャーを行うことになっている。

広報部 


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