[アッピアーノ・ジェンティーレ] 人類は明日12月21日に滅びるという説もあるが、もし本当にそうなったとしたら、エステバン・カンビアッソは最も多くのタイトルを手にしたアルゼンチン選手として世界最後のスタッツに名を残すことになるだろう... 。インテルチャンネルのゴールデンタイム番組“Prima Serata”のゲストになった“クチュ”はこの可能性に対し、「でも、もう生きていないわけだから、名誉としてあまり嬉しくないよね」と笑いながら述べた。「今のところ、俺がその記録を持っていることは嬉しいけど、そのうちにリオネル(メッシ)がそれを塗り替えるのが目に見えているさ。まあ、彼に追い越されるのは光栄だけどね」
将来、監督になるつもりかと聞かれたカンビアッソは、次のように語った。「分からないね。まず、監督になるためにどんな才能が要求されるのかもよく把握していないくらいなんだ。監督のことを指すとき、戦術にさえ詳しければいいみたいに思われがちだけど、実のところ監督というのはそれぞれ違う頭を持った人間25人をまとめるようにしないといけないんだ。それは決して簡単なことではないと思うよ。監督というのは毎日毎日、こういった課題に取り組まないといけない仕事さ」
自身のコンディションに関する質問を受け、「メディカルスタッフと相談して良くなっているよ」と答えたエステバンは、同国人後輩のリカルド・アルバレスについて感想を述べた。「彼は偉大な選手になれると思うよ。ただ、彼にしても他の若手選手にしても、入団してきた昨シーズンがインテルにとって厳しい時期だったというのが影響していると思うんだ。長年ここにいる俺たちベテランだって戸惑った苦戦のシーズンだったし、彼らをうまくサポートしてやることができなかったからね。残念ながら、彼らが馴染みやすい状況を作ってやることができなかったのさ。今シーズンのリッキーは膝の手術から復帰しているわけだけど、彼がプレーを試して失敗するのは問題ないことだと思うんだ。ミスを恐れてやらない方がおかしいよ。彼はいつだって積極的にボールを求める選手だし、そういうヤツというのはそのうち大きな結果を出すものさ」
レアル・マドリーでの経験について改めて聞かれた“クチュ”は「今となっては、レアルに感謝しているよ。あそこで評価されなかったからこそ、俺は人生で最も素晴らしい決断を下すことになったわけだからね」と答えた。「それが宿命だったのさ。あのときレアルは俺をそれほど評価していなかった一方、インテルはすごく欲しがってくれたんだ。幸いにも俺とインテルは巡り会えて、めでたく現在に至るということなんだよ」
ミリートの控えになるフォワードがやってくると思うか?という質問に対し「それはあり得ないね」と言い切ったカンビアッソは、次のように続けた。「なぜかと言うと、ディエゴのような選手は存在しないからだよ。フォワードが追加で必要だ、というのは分かるさ。でも、ミリートの控えが務まる選手を探し出すというのは、不可能なことだね」。3冠を再び実現させることも不可能か?と聞かれたエステバンは「約束するのは簡単さ。そういうことを口にする者はたくさんいるしね。でも、実行するのはそう簡単ではないよ」と現実的に語った。
2010年2月24日のチャンピオンズリーグ、インテル対チェルシー戦で自ら決めたゴールの映像が流れた後、得点する喜びについて聞かれた“クチュ”はこう述べた。「ゴールは試合のクライマックスだね。誰もが夢見ている瞬間だよ。ゴールを決めるのが好きじゃないヤツなんていないだろう?もちろん、得点にすごくこだわりを持つ選手もいれば、特にそうではない選手もいるさ。でも、ゴールを決めるというのは誰もが嬉しく感じるものなんだよ。テレビでは、カメラは得点者を追い続けるから分からないかも知れないけど、俺はチームメートが決めたときもすごく喜んでいるよ。“カンビアッソ風ゴール”というものは存在するのかって?多分、存在するんじゃないかな... 。相手が弾いたボールを叩き込む感じのものかな。でも、結局こうやって何度も見せられるのはチェルシー戦でのゴールみたいな、華やかなものばかりなんだよね...(笑)」
カンビアッソは2012年最後の試合、土曜日のジェノア戦に思いを向けて締めくくった。「ジェノアは負けないつもりで試合に臨むだろうって?俺は他のチームの姿勢に重点を置きたがらない主義なんだ。勝つ勝たないは相手ではなく、こっちの問題なのさ。相手がどうしようと、インテルが勝利を手にできるようにしないといけないんだよ。昨季、俺たちは2度とあのようなシーズンを繰り返してはならないと明言した。今シーズンのこれまでの結果を見れば、インテルは選手陣だけではなくてクラブ全体としてしっかりとした考えに基づいて働き、うまくリスタートできたように思える。とにかく、すべてのインテリスタにメリークリスマスと言いたいね。俺たちがみんなに本当に素晴らしいプレゼントを贈れることを願っているよ」
広報部