アゼルバイジャンから、すべてのインテルファンへ挨拶

バクーは想像を超える裕福で活発な町で、今夜の試合会場は歴史的なレフェリーの名前が付けられたスタジアム

おはよう、アゼルバイジャン。今朝、私たちはその首都のバクーで目覚めた。ホテルは名前も外見もアメリカンスタイルだが、ここはカスピ海に面した、東ヨーロッパと西アジアの境目に位置するユニークな港町である。
300万人近い人口を誇るカフカース地方最大都市、バクーの経済は天然ガスと石油に依存している。サッカークラブは5つもあり、そのうちひとつは偶然にも"インテル"という名のチームである。
今夜のヨーロッパリーグ戦で"我がインテル"の対戦相手となるネフチは、アゼルバイジャンリーグを7回優勝した経験を持つチームで、なんとその紋章には石油プラットフォームが描かれている。試合会場となるのは"トフィク・バフラモフ"スタジアムで、これは1966年のワールドカップ(当時はジュール・リメ杯と言われていたが)の決勝・イングランド対ドイツ戦で副審を務めたレフェリーにちなんで名付けられたもの。延長戦前半にイングランドのハーストが放ったシュートがゴールラインを超えたと主審に指摘して、歴史的な『疑惑のゴール』の張本人となった副審がこのバフラモフだったのである。多分、世界でレフェリーの名前がスタジアムに付けられているのは、ここだけではなかろうか。
現在、アゼルバイジャンでは女子U-17ワールドカップが進行中で、10日ほど前に"バフラモフ"スタジアムで行われた開会式はジェニファー・ロペスやシルク・ドゥ・ソレイユといった特別ゲストで賑わった。10月5日にはリアーナ、13日の閉会式にはシャキーラなど人気歌手が相次いでステージに上がるという豪華なスケジュールとなっている。バクーは想像以上に裕福で魅力的な町であり、歴史と文化に満ちた観光地である。西ヨーロッパの人にはあまり馴染みのない場所だが(ミラノからは5時間の長旅で、3時間の時差もある)、その旧市街はユネスコが文化遺産として指定したほど素晴らしく、次々と新しい大学が設立される、活気に溢れた都市だ。
ネフチはアゼルバイジャンで初めて欧州カップ戦に参加するチームで、ベオグラードで行われたグループステージ第1節のパルチザン戦を0-0で引き分けている。監督のボユカグハ・ハジエフは前日会見で、今夜のインテル戦は『21世紀のアゼルバイジャンで最も重要な試合だ』と断言した。あとは、ピッチが答えを出すのを待つだけだ。

スザンナ・ヴェルメリンゲル


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