[ミラノ] 27日午後に行われたFCインテルナツィオナーレ役員会の終了後、マッシモ・モラッティ会長は待機していた報道関係者の質問に答えた。
会長、役員会では決算とかについて話したのですか?
「ええ、マスコミの皆さんにとってつまらない話ばかりでしたね」
中国人投資家の加入も公式に認定されたのでしょうか?
「公式に認定することなんてないですよ。手続きを済ませるだけのことなので、今日の役員会で話すべきことではありませんでした」
スタジアム建設の件について何か進展は?
「それについては話しましたね。クラブの現状や昨夜の試合、これからの企画や下部組織について、非常にフレンドリーな感じで話しましたよ。この役員会は昔からインテルへの情熱を抱いている人たちの集まりなのでね。毎回、テーマはそういったものです」
確かに、役員の皆さんは全員にこやかな様子で出てきました。結構、雰囲気は盛り上がっているのでしょうか?
「もちろん。まあ、重要なのはチーム内の雰囲気が盛り上がっていることですけどね。 我々はそのチームを支える役割ですから」
数字に話を移しますと、『3』はディフェンスのマジックナンバーなのでしょうか?
「チームのメカニズムが機能するのなら、数字は何だっていいですよ。大切なことは、チームと監督が納得して正々堂々と試合を運べることです。ひとつのシステムだけが優れていてその他のものはダメだ、なんてことはありません。その都度の選手陣、その都度の流れによるものなのです。今は、このシステムを起用するのが効果的なのです」
今のところ、アントニオ・カッサーノとジャンパオロ・パッツィーニの"メルカートでのダービー"はどっちが勝っていると言えるのでしょうか?
「2人とも3点ずつゴールを決めてますからね。カッサーノはインテルにものすごく貢献してくれてますよ。プレーの面、監督とチームとの関係の面だけではありません。正直言って、彼は賢明な男であることを見せてくれているのです。これは喜ばしいことですよ。いいプレーヤーであるだけでなく、人間性に富んだ男でもあるので、今のこの時期で貴重なことですね」
不景気のこのご時世では、2000万ユーロの値札が付いたようなビッグネームは獲得できませんが、新しい株主が加わることによって昔のような大胆なオペレーションが可能になるのでしょうか? ヴィエリを獲得したときのような派手さまではいかないにしても………
「私は、ヴィエリを獲得したあの時代に逆戻りしないことを願っていますよ。当時やったことはすべて間違ってましたからね。とは言え、少しずつ状況がよくなっていくというのは考えられます。ただ、経済状況が改善されて少しは動きやすくなったからって、賢いクラブ経営というものを忘れてはいけませんよ。ただただ費やす金があるから、決算を無視して使いまくるのはもう認められないことです。UEFAの規定に従うように注意していかなくてはいけないし、理にかなったクラブ経営というものを意識したいですね」
1月にいくつかの補強を検討しているのでしょうか?
「私が言っているのは逆のことですがね(笑)。金銭的な余裕があるかないかは別として、すでに手元にある選手を本当に信頼することができないのなら、手元にない選手を信頼するのはさらに難しいと思うんですよ。ウチにはすでに優れた価値の戦力があって、それをもっと生かすべきだと思っています。さらに、数々の有能な選手を育成し続ける下部組織もあるわけですからね。外国のビッグクラブはこうやって強いチームを作り上げていくのです。このやり方に沿うことが必要だと思いますね」
参考になる外国のビッグクラブは?
「手本はたくさんありますよ。例えば、ウチの下部組織は他クラブにとって参考になる存在です。我が下部組織は輝かしい結果を出すだけではなく、あらゆる世代で素晴らしい選手を育成していってますからね。下部組織レベルでは、ウチが他のクラブを参考にする必要はないです。ただ、育成部門から出てきた若手をトップチームで生かすようにすることが重要なのです。イングランドのクラブは、みんなそうやってますからね。ここでは、周りが若手にチャンスを与えることに抵抗を感じるというのがあります。もちろん、歴史も伝統も違うので色々とあるというのは分かりますが、イタリアでも若手を積極的に使う方向にいかないといけません。周囲も、それを受け入れるようにしないといけないのです。幸いにも、ウチの監督は若くて、こういった事情をよく把握している指揮官です。徐々に、こういった進化を実現させていくようにしたいですね」
若手監督といえば、モンテッラ vs ストラマッチョーニは面白い対決になりそうですね。
「2人は友だちですしね。モンテッラの方が2年分、経験が豊富です。私は我が監督のことを非常に頭のいい男だと思っています。経験不足の部分をインテリジェンスでカバーすることができるのだと思いますが、どういう展開になるか見ていましょう」
現時点で、フィオレンティーナはもっともやっかいな対戦相手でしょうか?
「私が思うには、これまで見てきた中で最も優れたチームですね。ユヴェントス戦は素晴らしかったですよ。ウチにとって決して簡単ではない試合になると思いますが、だからといって、試合を勝手に延期にするわけにはいかないですしね。ウチだって軟弱なチームではありません。ベストを尽くして試合に臨みましょう」
ダービーがアウェーなのはラッキーということなのでしょうか?
「ああ、ミランがホームなんですよね。あなた方が言うことが幸運をもたらすことを願ってますよ(笑)」
来シーズンからイタリアのスタジアムは禁煙になるみたいですが、喫煙者の会長はどうするつもりですか?
「外国に行けば、すでに禁煙のスタジアムがありますからね。そういうところに行くとタバコを吸おうとは思わないので、イタリアでも吸うなと言われたら吸わないようにしますよ(笑)」
広報部