セリエA、インテル対ミラン:4ー2、ダービーは黒と青に染まる

ネラッズーリはミリートのハットトリックとマイコンのゴールで今シーズン2回目のダービーも制覇

[ミラノ] ミラノ・ダービーのピッチ上ではインテルが躍動した。第37節のインテル対ミランはシーズン前半戦のダービー同様、またしてもインテルの勝利に終わった。
前半、先制ゴールを奪ったのはミリート。さらに、カンビアッソのヘディングシュートで追加点を奪ったと思われたが主審のリッツォーリはボールがゴールラインを越えていないという不可解な判定。そして、その直後、再び主審のミスジャッジがインテルに不利に作用することになる。ボアテングが抜け出たところ、ジュリオ・セザルが先にボールにタッチしてピンチを脱したかのように見えたが、主審はPKを指示。イブラヒモヴィッチがこれを決めて前半戦は1-1で終了した。
そして、後半のキックオフ直後、イブラがこの日の2本目のゴールを決めてミランがリードを奪った。そして、エリア内でサムエルへのファウルが見逃された直後のプレーで、ミリートがアバーテに背後からつかまれて倒れ、リッツォーリ主審はやっとインテルにPKを与えた。ミリートがこれを決めて2-2の同点に。そして33分、ネスタのハンドでインテルはPKをゲット。これをミリートが決めてハットトリック。さらに、試合終了間際、右サイドを駆け上がったマイコンが強烈なシュートをファーサイドに決めてゲームに決着をつけた。
インテルはこの勝利で総勝ち点を58に伸ばし、最終戦まで3位への希望を残すことになった。この日、同時間にトリエステの“ネレオ・ロッコ”で行われたカリアリ対ユヴェントス戦で、ユヴェントスが0-2の勝利を収め、2011-12シーズンのスクデット獲得を決めた。

前半:セリエA第37節、インテル対ミラン。ストラマッチョーニ監督は、ゴールマウスにジュリオ・セザルを据え、DFラインを中央にルシオとサムエル、右サイドにマイコン、左サイドに長友で構成。ケガが癒えたサネッティがピッチに復帰、カンビアッソ、グアリン、アルバレスと中盤を構成、ワントップにミリート、その背後にスナイデルを据えた(4-4-1-1)。ジュリオ・セザルにとってインテルの公式戦300試合目の記念ゲーム。サネッティにとってはミラノ・ダービー38試合連続出場(ちなみにベルゴミはダービー42試合連続出場の記録を持っている)。13年間インテルでプレーしたコルドバにとって、これがサン・シーロでの最後のゲーム、ベンチスタートとなっている。試合開始前、モラッティ会長は、コルドバに記念プレートを贈呈した。インテル主催のダービー、インテリスタは「Ti te dominet Milan」(ミラノを支配するのは俺たちだ)の横断幕やドゥオモのマリア像を描くなど、熱い応援を演出した。
ミランは負傷でチアーゴ・シウヴァを欠くことになった。アッレグリ監督は2トップをイブラヒモヴィッチとロビーニョで構成。カッサーノはベンチスタートとなった。
試合開始早々からスタンドは熱い雰囲気。特に元インテルのムンタリが手荒いタックルをスナイデルに浴びせたことでスタンドは一気にヒートアップした。
最初にチャンスを掴んだのはインテル。アルバレスのパスを受けた長友がシュートを打つがアッビアーティの正面をついてゴール成らず。その直後にミランに決定的なチャンス。ロビーニョのクロスに合わせたイブラが至近距離から右のアウトサイドで流し込もうとしたが、ボールは枠を外れた。
そして、13分、インテルに先制ゴールが生まれる。スナイデルのフリーキックにオフサイドラインぎりぎりのサムエルが中にパス。それをミリートが確実にゴールに流し込んでインテルが1-0とした。
15分にはグアリンがファーサイドを巻くようシュートを打つが、わずかに枠を外れた。攻め込むインテル。今度はスナイデルの強烈なフリーキックをアッビアーティが弾き、そのボールをルシオがダイレクトに相手ゴールに叩き込んだが、オフサイドということでゴールは取り消された。
両チームとも運動量豊富、闘争心むき出しのゲーム展開となった。
そして、最初の疑惑の判定が生じる。スナイデルのコーナーキックにカンビアッソがヘッドで合わせた。そのボールを、微妙なポジションでアッビアーティがパンチングで弾き出し、主審はゴールラインを越えていないと判定、プレーオンとした。だが、リプレーで見る限り、ボールはゴールラインを完全に越えていたように見える。インテルにとっては不利な判定となった。勝ち点3を狙うインテルはさらに執拗に攻め続けた。長友のクロスを受けたスナイデルが至近距離からシュートを打つが、ボールはサイドネットに吸い込まれた。この際、アッビアーティが負傷、ゴールマウスにはアメーリアが入った。
その直後、今度はミランにチャンス。イブラが至近距離からシュートを打ったが、ジュリオ・セザルが、神ががりのセーブで失点を防いだ。さらに、42分、ジュリオ・セザルはまたしてもインテルのピンチを救ったかのように見えた。左サイドを抜け出たボアテングに対して、タイミングよく飛び出たセザルは、先にボールにタッチしてピンチを逃れた、はずだった。だが、主審のリッツォーリは、セザルがボアテングを倒したと判定、PKスポットを指差した。インテルにとっては納得のいかない判定。PKをイブラが決めてゲームは振り出しに戻った。
審判の不当な判定で1ゴールを取り損ね、余計な1ゴールを与えることになったインテル。本来なら2-0で終わっていたはずの前半を1-1で終えることになった。

後半:後半のキックオフ直後、ミランに2点目が生まれる。右からのグラウンダーのクロスをボアテングがスルー、中にいたイブラヒモヴィッチがファーサイドに決めてミランがリードを奪った。チャンピオンズリーグ出場権への希望を残すためにはどうしても勝ち点3が必要なインテルは、ここから必死の攻撃を仕掛けることになる。4分にはスナイデルが中央からミドルシュートを打ったが、アメーリアが辛うじてこれをキャッチ。その直後、今度はスナイデルのコーナーキックにヘッドで合わせようとしたサムエルが明らかにネスタとムンタリに倒されたが、主審のリッツォーリはプレーオンを命じた。インテルにとっては納得の行かないジャッジに終始していたリッツォーリ主審だが、7分にミリートがアバーテに掴まれて倒れた時は、PKスポットを指差すしかなかった。PKをミリートが決めてインテルは2-2の同点とした。
10分、インテルベンチがヒヤッとする場面があった。クロスボールをイブラがヘッドで落とし、そこにムンタリが飛び込んだが、至近距離でのボールにジャストミートができず、ボールは枠を外れた。ミランにとってもスクデットへの希望を残すためには勝ち点3が必要なゲーム。この時間帯、ミランが積極的な攻撃を仕掛けた。25分にはアバーテがエリア内で強烈なシュートを放つが、ジュリオ・セザルがこれをパンチングでコーナーに逃げる。
33分、しばし守勢に回っていたインテルに得点が生まれる。マイコンのクロスにパッツィーニが頭で合わせたが、そのボールがパッツィーニのマークに付いていたネスタの手に触れ、PKをゲット。“プリンシペ”がこれを決めてインテルは3-2とリードを奪った。
36分には、カンビアッソがエリア内でハンドを犯したということで、ミランの選手が激しく抗議したが、主審は、手でなく胸に当たったと判定、抗議を却下した。
そして、その直後、サネッティのスーパードリブルがインテリスタを熱狂させることになる。ハーフウェーライン手前でボールを受けたサネッティは、そこからドリブルを開始。ミランの選手数人をかわして相手ゴールに迫った。最終的に、クロスをネスタにブロックされるが、疲れを知らない偉大なる“カピターノ”のプレーにスタンドのファンは酔いしれた。
39分、ストラマッチョーニ監督は、スナイデルに代えて、この日がサン・シーロでの最後のゲームとなるコルドバをピッチに投入した。
そして、42分、インテルに決定的なゴールが生まれる。右サイドをドリブルで駆け上がったマイコンが、エリア外から強烈な無回転シュートをファーサイドに決めて4-2。ゲームは決まった。ロスタイムの3分後にリッツォーリ主審は試合終了の笛を吹いた。アンドレア・ストラマッチョーニ監督にとって、初めてのトップチームでのダービー勝利となった。


インテル対ミラン 4-2
得点者:
前半14分 ミリート、44分 イブラヒモヴィッチ(PK)、後半1分 イブラヒモヴィッチ、7分 ミリート(PK)、34分 ミリート(PK)、42分 マイコン

インテル:1 ジュリオ・セザル;13 マイコン、6 ルシオ、25 サムエル、55 長友;4 サネッティ、19 カンビアッソ、14 グアリン(後半17分、20 オビ);11 アルバレス(後半30分、7 パッツィーニ)、10 スナイデル(後半39分、2 コルドバ);22 ミリート
控え選手:12 カステッラッツィ、17 パロンボ、23 ラノッキア、28 サラテ
監督:アンドレア・ストラマッチョーニ

ミラン:32 アッビアーティ(前半35分、1 アメーリア);20 アバーテ、13 ネスタ、76 イェペス、25 ボネーラ(前半21分、52 デ・シリオ);22 ノチェリーノ、4 ファン・ボメル、14 ムンタリ(後半32分、99 カッサーノ);27 ボアテンク;70 ロビーニョ、11 イブラヒモヴィッチ
控え選手:5 メクセス、8 ガットゥーゾ、18 アクイラーニ、21 マキシ・ロペス
監督:マッシミリアーノ・アッレグリ

主審:ニコーラ・リッツォーリ(ボローニャ)
警告:前半43分 ジュリオ・セザル、48分 カンビアッソ、後半7分 アバーテ、10分 アルバレス、31分 ファン・ボメル、
ロスタイム:前3分、後半3分

広報部


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