セリエA、ユヴェントス対インテル:2ー0、ガッツを見せるも敗戦

ネラッズーリは前半にチャンスを作るが、後半にカセレスとデル・ピエロがゴールでユーヴェが勝利

[トリノ] インテルの力を持ってしても、今季のユーヴェの不敗記録にストップをかけることは出来なかった。"ユヴェントス・スタジアム"でのイタリアダービーは、ユヴェントスの2-0の勝利で終わった。前半の45分はインテルのペース。3回の決定的チャンス(ミリート、フォルラン、スタンコヴィッチ)を作ったインテルに対し、ユーヴェは17分のマトリのゴールチャンスだけ。だが、後半、コンテ監督はメンバー交代でチームをリズムに乗せた。12分、ピルロのコーナーキックをカセレスがヘッドで決めた時点で流れは完全にユーヴェのもの。代わって入ったデル・ピエロが後半26分にダメ押しゴール、勝利を決定付けた。

前半:セリエA第29節、トリノでのイタリアダービー。ラニエリ監督はDFラインの中央にルシオとサムエル、右サイドにマイコン、左サイドの長友を据えた。中盤はスタンコヴィッチとポーリのダブルボランチ、右サイドにサネッティ、左にオビ、2トップにはフォルランとミリートを配した。一方、アントニオ・コンテ監督はペペ、マトリ、ヴチニッチのトリデンテを準備、DFラインには故障の癒えたバルザーリを起用した。
アフガニスタンで亡くなったイタリア兵士を偲んで1分間の黙祷が捧げられた。
キックオフ直後、インテルはアグレッシブな姿勢を見せたが、4分にはいきなりピンチを招くことになる。インテル左サイドでペペが突破を図り、それに対応しようとして長友とオビが衝突、フリーになったペペがクロスを入れたが、ジュリオ・セザルが辛うじて防いだ。
攻守の切り替えが速いゲーム展開、両チームは何度となくチャンスを作った。10分には、サネッティからのクロスにミリートが合わせたが、カセレスがこれをブロック。そして14分にインテルの決定的なチャンス。ヴチニッチのボールを奪ったマイコンがドリブルで相手DFラインを突破、ゴール前のミリートに絶妙なパス。これをミリートが確実にシュートを狙ったが、ブッフォンが辛うじてこれをパンチング、コーナーに逃げる。
ユーヴェも積極的な攻撃を仕掛ける。17分、カセレスのロングパスに中央にいたマトリがフリーで、ヘッドで合わせたが、ジュリオ・セザルの正面を突く。インテルの左サイドで活発な動きを見せるカセレスは、25分にもフリーになり、中に折り返し。そのボールを、体を半転させてマトリがシュートを打ったが、これはクロスバーの上に外れた。
そして28分にはインテルに先制点のチャンス。右からのコーナーキック、マイコンのニアへのボールにフォルランが飛び込み、ゴールかと思われたが、ブッフォンが右手で辛うじてパンチングで防いだ。インテルにとっては惜しいチャンスだった。さらに32分には、またしてもインテルに先制機。スタンコヴィッチの縦へのロングパスを受けたミリートが右足でシュートを試みたが、ブッフォンがこれを弾く。セカンドボールにミリートが再びシュートを試みたが、クロスバーの上に外れた。インテルは、堅い守りからのカウンターアタックを仕掛けるだけでなく、ボールを繋いでゲームを支配する。36分には、オビが強烈なミドルシュートを放ったが、ブッフォンがまたしても体を制してこれを防いだ。さらに36分にはミリートがDF背後に抜け出たかに思われたが、キエッリーニに倒される。当然、オブストラクションかと思われたが、主審は笛を吹かなかった。41分にはスタンコヴィッチがミドルシュートを試みるが、バルザーリの体に当たってコースを変えたボールにブッフォンがしっかり反応、これをパンチングでコーナーに逃げた。ロスタイムはなし、前半は0-0で終了した。攻守の展開が速く、ともにゴールチャンスが多い、スペクタクルな前半だった。

後半:ハーフタイムでのメンバー交代はなし。6分にユーヴェにチャンス。長友と入れ替わる形でカセレスがゴール前に突進したが、カバーリングに入ったサムエルが辛うじてブロック、ピンチを逃れた。8分に、コンテ監督は2枚替えを行った。ペペに代わってボヌッチ、マトリに代わってデル・ピエロを投入。この交代がユーヴェにリズムをもたらすことになる。マルキージオとカセレスがさらに効果的な動きを示すようになった。先ずはマルキージオの強烈なミドルシュート。ジュリオ・セザルがこれを辛うじてパンチングでコーナーに逃げたが、そのコーナーからの攻撃を防ぐことは出来なかった。ピルロのコーナーキックはゴール正面に。それを中央で、どフリーでカセレスがヘディング、インテルのゴールネットを揺らした。ゴール前のマークのずれが手痛い失点を招いたと言える。
22分にはラニエリ監督も交代のカードを切る。ファラオーニとパッツィーニを投入したが、その直後に、前がかりになったDFの背後をヴチニッチに突かれて絶体絶命のピンチに。だが、ヴチニッチのシュートは前に飛び出たジュリオ・セザルの腕の中に吸い込まれた。ヴチニッチのシュートミスで一度は救われたインテルだったが、デル・ピエロのゴールを防ぐことは出来なかった。26分、ビダルの絶妙なスルーパスでインテルのDF3人の合間をすり抜けたデル・ピエロが右足のサイドで確実にシュートを決めて、リードを2点差にした。
2-0になってからは気落ちしたインテルに対して、ユーヴェが一方的に攻める形となる。33分にはキエッリーニがエリア周辺からドリブルで正面突破、決定的なラストパスをファーサイドのクアリアレッラにフィード。戻ったマイコンが体を呈してクアリアレッラのシュートをゴールラインからかき出してピンチを逃れた。40分にはキエッリーニの決定的なヘディングシュート、ジュリオ・セザルがパンチングで逃れて、3点目を奪われることはなかったが、インテルが反撃に転じることもなかった。3分間のロスタイムの後、主審は試合終了の笛を吹いた。インテルはガッツあふれるプレーをした。運動量も豊富で積極的にゲームを運んだ。だが、プレー内容でユヴェントスがインテルを優っていたことは否めない。この日の敗戦でインテルの勝ち点は41ポイントにとどまった。


ユヴェントス対インテル 2ー0
得点者:
後半12分 カセレス、 26分 デル・ピエロ

ユヴェントス:1 ブッフォン;4 カセレス、15 バルザーリ、3 キエッリーニ、11 デ・チェーリエ;22 ビダル、21 ピルロ、8 マルキージオ、7 ぺぺ(後半8分、19 ボヌッチ);32 マトリ(後半8分、10 デル・ピエロ)、14 ヴチニッチ(後半29分、18 クアリアレッラ)
控え選手:30 ストラーリ、20 パドイン、34 マローネ、23 ボリエッロ
監督:アントニオ・コンテ

インテル:1 ジュリオ・セザル;13 マイコン、6 ルシオ、25 サムエル、55 長友;4 サネッティ、5 スタンコヴィッチ、18 ポーリ(後半22分、7 パッツィーニ)、20 オビ(後半22分、37 ファラオーニ) ;9 フォルラン、22 ミリート
控え選手:12 カステッラッツィ、23 ラノッキア、26 キヴ、14 グアリン、19 カンビアッソ
監督:クラウディオ・ラニエリ

主審:アンドレア・デ・マルコ(キアーヴァリ)
警告:前半34分 長友、45分 ポーリ、後半30分 デ・チェーリエ
ロスタイム:前半0分、後半3分

広報部


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