セリエA、インテル対パレルモ:4ー4、雪の中でのドロー

マントヴァーニが先制、その後はミリート(4得点)とミッコリ(3得点)のゴール対決

[ミラノ] 昨夜から降りしきる大雪にも関わらず、インテル対パレルモ戦は予定通りに実施された。両チームは、悪天候にもかかわらず“メアッツァ”に繰り出した勇気ある観客の前で、前回の対戦と同様に、ゴールを応酬するスペクタクルなゲームを繰り広げた。インテルの4ゴールのすべてを叩き出したのは“スーペル・ミリート”。一方、パレルモの“スーペル・ミッコリ”がハットトリックでミリートに対抗、結局、ゲームは4-4の引き分けに終わった。

前半:セリエA第21節、インテル対パレルモ戦。ミラノは昨日から降雪が続いているが、ピッチをシートで覆って保護。スタンドは雪かきが行われ観客受け入れ体勢は整った。朝の7時からの雪かきのおかげで何とか無事にゲームは行われる運びとなったのだ。ラニエリ監督はDFラインのセンターにルシオとラノッキアを据え、右サイドにマイコン、左サイドに長友を配した。中盤はサネッティ、カンビアッソ、ポーリという布陣、パッツィーニ、ミリートの2トップの背後にスナイデルを配した。なお、前日にインテルに入団を決めたアンジェロ・パロンボがベンチに入った。キックオフ早々、インテルにチャンス。前半2分、パッツィーニのクロスにスナイデルがヘッドで合わせたが、ボールはわずかに外れた。さらに直後にチャンス。地面の凍結のせいでボールが自由に蹴れない状況で、ポーリが積極的に攻め上がったところをパレルモDFに寄せられるが、ボールはこぼれてカンビアッソのところに。“クチュ”はシュートを放つが相手DFバルザレッティの体に当たってゴールラインを割った。胸と腕の中間に当たったような感じ。PKと判定されてもおかしくないプレーだった。一方、パレルモも積極的な攻撃を仕掛けた。10分にはブダンからのパスをミッコリが強烈なグラウンダーのシュートを放つが、ジュリオ・セザルがキャッチする。
先制ゴールを奪ったのはパレルモ。17分、ミッコリのコーナーキックからのボールを背後から走りこんだマントヴァーニがゴール前フリーで、右足でボールを押し込んだ。しかし、インテルはすぐに追いつく。22分、マイコンのクロスをマントヴァーニがクリアしようとするが、これがミリートの前にこぼれ、ミリートがそれを右足で決めてインテルは1-1の同点に追いついた。その後、2回にわたってパッツィーニがゴールに迫る。36分、サネッティのクロスにパッツィーニがジャンピングボレーで合わせようとするが、シルヴェストレに寄せられてシュート出来ず。さらに、41分にはやはりサネッティのクロスに反応するが、わずかにタイミングがずれてパッツィーニはシュートを打てなかった。前半終了間際、スナイデルとミリートのワンツー、こぼれたところをカンビアッソがシュートを狙うが、ヴィヴィアーノとバルザレッティの好守に阻まれた。前半は1分間のロスタイムを経て1-1の同点で終わる。

後半:ハーフタイム時のメンバー交代はなし。後半のキックオフ早々、ミッコリの鮮やかなゴールでパレルモが再度リードを奪うことになる。7分、左サイドをミッコリがドリブル突破。マークに入ったラノッキアを振り切って、左足でファーサイドに蹴りこんだ。ジュリオ・セザルが一歩も動けないような鮮やかなシュートだった。両者が前がかりの攻撃的サッカーをするという展開になった。1点リードされたインテルはさらに積極的な攻撃を仕掛けた。相手ゴールの1分後、混戦からこぼれたボールをミリートがフリーでシュート、ボールはサイドに外れた。パッツィーニがフリーのポジションにいただけにパスを出しても良かった場面だった。攻め続けるインテルが、長友の走力から大きなチャンスを掴むことになる。10分、ポーリのパスをもらった長友は中へのドリブル突破を試みた。エリアに入った瞬間、長友に完全に抜き去られたムニョスが長友の腕を背後から掴んで倒した。主審のグイーダ氏は迷わずPKスポットを指差した。そして、PKをミリートがゴール右隅に決めてインテルは2-2の同点に追いついた。同点に追いついたインテルはさらに攻撃のリズムを上げた。そして、16分、ミリートがゴールを決める。ルシオの縦へのロングパスがこぼれたところをカンビアッソがヘッドで相手DFの裏にパスを出した。そのボールにオフサイドポジションぎりぎりのところにいたミリートが反応。GKをドリブルでかわし、無人のゴールにボールを流し込んで得点。インテルはゲームを3-2にした。このゴールでミリートはハットトリックを記録。1点リードしたところでラニエリ監督はポーリに代えてインテルに前日入団を決めたパロンボをピッチに送り出した。だが、その直後の21分、パレルモの同点ゴールが生まれることになる。左サイドを突破したバルザレッティが鋭いクロスをフィード。ミッコリが中央でヘッドで合わせ、インテルゴールネットを揺らした。ミッコリのこの日2つ目のゴールでパレルモは同点に追いついた。だが、この日のインテル対パレルモ戦は、このままでは終わらない。公式戦2連敗を喫しているインテルの勝利への執念は強い。24分、サネッティが右サイド奥にボールを持ち込み、クロスをフィード。パッツィーニのシュートはミートしなかったが、インテルにとって幸運だったのは、そのボールがエリア中央に転がったこと。背後から走りこんだミリートが強烈な右足で相手ゴールに蹴りこみ、インテルが再びリードを奪ったのだ。この日、4本目のゴールを記録したミリートは、シーズンゴール数を12に伸ばした。4-3でインテルがリード。その直後、またしても、ミリートがヘディングで相手ゴールネットを揺らしたが、その前のマイコンのクロスがすでにゴールラインを割っていたということでゴールは取り消された。ミリートの5本目のゴールはならなかったが、このままインテルのリードでゲームは終わると思った人は多かったはず。だが、今日のパレルモは底知れない粘り強さを見せた。インテルDF陣にとって足下が不自由な状況でミッコリの動きを封じ込めるのは難しかったようだ。40分、ミッコリが後半7分のリプレーを見るかのようなシュートを決めてゲームを振り出しに戻したのだ。イリチッチからパスをもらったミッコリはドリブルで縦への突破を図った。対応したルシオを振り払い、左足でファーサイドに絶妙なシュート。ジュリオ・セザルは反応できず、ボールはインテルゴールネットを揺らした。4-4の同点。42分、ラニエリはミリートを下げ、観客にスタンディングオベーションの機会を与えた。ロスタイムの3分間。ゲーム終了直前にインテルに大きなピンチがあった。エリア周辺、ペナルティアークでオビがファウルを犯し、パレルモにFKのチャンス。すでにハットトリックを記録しているミッコリが狙ったが、ボールはわずかにクロスバーの上に外れ、インテルは事なきを得た。インテルは、引き分けによる1ポイントを加えて、勝ち点を36ポイントにした。


インテル対パレルモ 4ー4
得点者:
前半17分 マントヴァーニ、22分 ミリート、後半7分 ミッコリ、10分 ミリート(PK)、16分 ミリート、21分 ミッコリ、24分 ミリート、40分 ミッコリ

インテル:1 ジュリオ・セザル;13 マイコン、6 ルシオ、23 ラノッキア、55 長友;4 サネッティ、19 カンビアッソ、18 ポーリ(後半19分、17 パロンボ);10 スナイデル(後半22分、20 オビ);7 パッツィーニ、22 ミリート(後半42分、28 サラテ)
控え選手:12 カステッラッツィ、2 コルドバ、26 キヴ、30 カスタイニョス
監督:クラウディオ・ラニエリ

パレルモ:1 ヴィヴィアーノ;6 ムニョス(後半18分、31 ピザーノ)、2 マントヴァーニ、3 シルベストレ、42 バルザレッティ;16 ザハヴィ(後半18分、27 イリチッチ)、23 ドナーティ、5 バレート;14 ベルトロ;9 ブダン(後半31分、17 バスケス)、10 ミッコリ
控え選手:33 ツォルヴァス、13 アギーレガライ、20 アックアー、24 メフメティ
監督:ボルトロ・ムッティ

主審:マルコ・グイーダ(トーレ・アヌンツィアータ)
警告:後半10分 ムニョス、38分 オビ
ロスタイム:前半1分、後半3分
観客:18,320人

広報部


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