セリエA、ミラン対インテル:0ー1、ミリートが決勝ゴール

前半、チアーゴ・モッタの得点がノーゴール。長友が2回のチャンス、スナイデルが復帰

[ミラノ] ミランがホームで最後に敗戦を喫したのは2010年12月18日のこと。奇しくも、その時の相手はクラウディオ・ラニエリ率いるローマだった。そして、今日、ラニエリはディエゴ・ミリートのゴールでまたしてもミランを打ち破った。セリエ第18節のミラノダービーをモノにしたインテルは、勝ち点を32に伸ばし、スクデット戦線に居残ることに成功した。

前半はともに2回の大きなチャンスがあった。インテルにとってはチアーゴ・モッタのゴールが、サムエルとミリートがオフサイドだったということで取り消された場面と、アルバレスのシュートがアッビアーティの見事なセーブで止められたこと。一方ミランは、ファン・ボメルのシュートがクロスバーを叩いたこと、そして、そこからこぼれたボールに呼応したエマニュエルソンのシュートがジュリオ・セザルのパンチングで防がれたこと。後半9分、サネッティの右からのクロスにアバーテと入れ替わるような形でフリーになったディエゴ・ミリートが左足で狙い済ましたかのようにファーサイドのポスト際に決め、これが決勝点となった。

前半:"ジュゼッペ・メアッツァ"スタジアムでのミランホームでのダービー。ラニエリ監督は前節大勝したパルマ戦と同じメンバーでチームを構成した。センターバックコンビをルシオとサムエルで構成、マイコンを右サイド、長友を左サイドに据えた。中盤はサネッティ、モッタ、カンビアッソ、アルバレス、前線はミリート、パッツィーニの2トップを据えた。ちなみに、ミリートにとってはイタリアでの公式戦200試合目となる。一方、アッレグリ監督はイブラヒモヴィッチのパートナーとしてパトを選択、トップ下にエマニュエルソンを起用した。
試合開始前、ジリオ島沖での豪華客船座礁の犠牲者と、ミラノ市内で暴走車に引かれて亡くなった警官、ニコロー・サヴァリーノに1分間の黙祷が捧げられた。
ゲーム最初のチャンスはインテル。ザンブロッタのボールを奪ったルシオが前進、マイコンがパスを受け、クロスを出したが、ミランDFにインターセプトされた。5分にはパッツィーニがファン・ボメルに倒されFKを取った。マイコンが蹴ったFKにチアーゴ・モッタがヘッドで合わせ、ゴールネットを揺らしたが、その前にオフサイドがあったということでゴールは取り消し。ただ、オフサイドと見なされたサムエルとミリートはプレーに直接関与しておらず、オフサイドにはならなかったはず。不可解なジャッジと言わざるを得ない。一方ミランは9分に最初のシュート。エリア周辺からイブラが左足で打つが、ジュリオ・セザルがこれを難なくキャッチ。さらに11分にはボアテング、エマニュエルソンと繋いだボールをパトがボレーで打つがシュートは上に外れる。さらにミランの攻撃は続く。パトがゴール前に攻め入ったが、カンビアッソがコーナーに逃げる。そしてCKのボールをボアテングがシュートしたが、クロスバーの上に外れた。一方、インテルは、マイコンとミリートのワンツーで攻め入るが、ネスタがこれを防ぐ。ミランは24分にイブラのグラウンダーのクロスにパトが飛び込むが、サムエルがこれを前で防ぐ。32分、今度はイブラがテコンドウで身に付けたアクロバチックなプレーを見せる。ボアテングのクロスをアウトサイドのヒールでゴールを狙うがボールはバーの上に外れた。39分にはインテルが決定的なチャンスを作る。左サイドをオーバーラップした長友がアバーテを抜き切らないタイミングで絶妙なクロスを左足でフィード。ゴール前でフリーになっていたアルバレスが左足でシュートを打つが、アッビアーティがこれを辛うじて足で防いだ。インテルにとっては非常に惜しい場面だった。前半終了間際にはミランに連続して2度のチャンスがあった。パトの折り返しのボールをファン・ボメルがシュート。これがバーを直撃した。さらに、こぼれたボールをエマニュエルソンが打つが、ジュリオ・セザルがこれを辛うじてパンチングで防ぎ、インテルは事なきを得た。結局、前半は0-0で終了。

後半:ハーフタイムでの交代はなし。後半9分、インテルが待望の先制点を奪う。この日の主役もやはりミリートだった。サネッティが右サイドから逆サイドのミリートにパスをフィード。不用意な対応をしたアバーテと入れ替わるような形でフリーになったミリートがそのまま前進、GKと1対1になり、左足でシュート。ボールはファーサイドのポストをかすめるかのようにゴールネットを揺らした。1点をリードしたインテルはなおも攻めを続けた。16分、中に切り込んだ長友がミドルシュート。ボールはネスタの体に当たりコースを変えたがわずかに枠を外れた。ジュリオ・セザルは今日もインテルのピンチを何度となく救った。エリア内左からのイブラのクロスをパトがプッシュするが、これを見事な反応で防いだ。27分、それまで守備に追われていたインテルがチャンスを迎える。右サイドからのミリートのパスに反応した長友がエリア内の至近距離からシュートを打つがボールはアッビアーティの正面を突き、キャッチされた。31分には2ヵ月半ぶりにスナイデルがミリートに代わって出場。ピッチを下がるミリートをインテリスタはスタンディングオベーションで称えた。1点を追うミランは積極的に攻撃を仕掛けた。そして、ジュリオ・セザルの神がかりのセーブがインテルを救うことになる。またしてもイブラが左サイドから絶妙なパス。これをノチェリーノが半転してシュート、こぼれたボールをパトがゴール至近距離からシュートを打つが、ボールにミートせず。セザルはこれを辛うじてキャッチ、インテルは事なきを得た。さらに、ジュリオ・セザルのショーは続く。38分には、セードルフの強烈なミドルシュートをダイビングしてパンチングで防いだ。そして、39分には、イブラのロビーニョへのパスを体で防いだ(イブラにバスが出た時点でオフサイドになっていたが)。ジュリオ・セザルの最高のパフォーマンスとDF陣の強固な守りでインテルは1点のリードを守りきり、今シーズンのセリエA最初のミラノダービーで勝利を収めた。


ミラン対インテル 0ー1
得点者:
後半9分 ミリート

ミラン:32 アッビアーティ;20 アバーテ、13 ネスタ、33 チアーゴ・シウヴァ、19 ザンブロッタ(後半21分、70 ロビーニョ);27 ボアテング、4 ファン・ボメル、22 ノチェリーノ(後半35分、10 セードルフ);28 エマニュエルソン;7 パト(後半38分、92 エル・シャーラウィ)、11 イブラヒモヴィッチ
控え選手:1 アメーリア、5 メクセス、23 アンブロジーニ、25 ボネーラ
監督:マッシミリアーノ・アッレグリ

インテル:1 ジュリオ・セザル;13 マイコン、6 ルシオ、25 サムエル、55 長友;4 サネッティ、8 チアーゴ・モッタ、19 カンビアッソ、11 アルバレス(後半22分、26 キヴ);22 ミリート(後半31分、10 スナイデル)、7 パッツィーニ(後半45分、9 フォルラン)
控え選手:12 カステッラッツィ、20 オビ、23 ラノッキア、37 ファラオーニ
監督:クラウディオ・ラニエリ

主審:ダニエレ・オルサート(スキーオ)
警告:後半19分 ボアテング、23分 ネスタ、44分 チアーゴ・モッタ、47分 エル・シャーラウィ
ロスタイム:前半2分、後半3分

広報部


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